「中盤の攻防がカギ」と見るシメオネ監督

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クラブ・アトレティコ・マドリーをスペイン・リーガ優勝に導いたディエゴ・シメオネ監督が19日、エスタディオ・ビセンテ・カルデロンでの記者会見に臨んだ。リーグ優勝決定から48時間も経っていないこともあり、指揮官はリラックスしたムードを漂わせていた。会見の冒頭には会場の音声にトラブルが発生したが、これも自分がメディアの前で話すことを阻む陰謀だと、ジョークで受け流す余裕を見せるほどだった。

しかし、当然ながらその沈黙も長くは続かず、UEFAチャンピオンズリーグ初制覇の可否はチームの看板ストライカー、ジエゴ・コスタの状態にかかっているのではという質問が出ると、監督はこれを一蹴。欧州以外の国出身の指揮官として3人目となる欧州制覇を狙うシメオネ監督は、リスボンでの決戦はストライカーたちの背後、つまり中盤での厳しい攻防が勝敗のカギを握るとの見方を示した。

「決勝は五分五分の戦いだ」と指揮官は語り、UCL決勝という特別な戦いの場に飲まれないようにと、選手たちに注意を促した。「一人ひとりを見れば、向こうの方がいい選手を揃えている。我々のモチベーションは高いが、相手にも(勝利しなければならない)大いなる理由(通算10度目の欧州制覇)があるはずだ。とはいえ、我々に同じような渇望がないということではない。中盤が勝負のカギを握るだろう。緊迫した展開を予想している。試合に最も集中できたチームが、優勝杯を掲げるはずだ」

コスタは筋肉系の負傷によりUCL決勝出場がいまだに危ぶまれている。また、アルダ・トゥランも、コスタと同じくリーグ優勝を決めた17日のFCバルセロナ戦で負傷退場しており、状態は予断を許さない。これについてはシメオネ監督も、「ジエゴ・コスタとアルダ・トゥランのケガからの回復状況については、今週末まで時間を取って見極めたい。決勝に間に合わないようであれば、他の選択肢を探すつもりだ」と語っている。

他の選択肢の1つが、アドリアン・ロペスの起用だ。ロペスはチェルシーFCとの準決勝第2戦で先制点を挙げており、シメオネ監督からの評価も高い。「アドリアンは本当に素晴らしい選手で、毎日我々のチームを見ている人なら、私が彼のことをどう評価しているかを知っているはずだ」と指揮官は語る。「彼は才能に恵まれ、得点力もある。アルダとコスタの状態によって、選手起用を決めるつもりだ」

ロヒブランコス(アトレティコの愛称)にとって18年ぶり、通算10回目となるリーグ制覇の喜びはまだ冷めていないが、次の頂上決戦に向けて、指揮官は改めて選手たちを鼓舞する必要はないと考えているようだ。「選手のモチベーションは、とにかくこのユニフォームを着たいという気持ちだけだ。アトレティコのためにプレーすることがモチベーションになるのであって、相手がどこかによって変わるものではない」

「モチベーションは、それぞれの選手の内面から湧き出てくるべきものだ。そうでなければ、結果を得るのは難しくなる。決勝は決勝だが、モチベーションはまた別物だ。選手一人ひとりが、自分を見つめ直し、いい準備をする必要がある」と語ったシメオネ監督は、間違いなく準備を整えて決勝に臨むだろう。それでも、コスタとアルダがケガから回復し、決勝に備えることができるかどうかが焦点となる。

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