ホームのファンに後押し求めるシメオネ監督

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クラブ・アトレティコ・マドリーは近年のクラブ史でも稀にみるUEFAチャンピオンズリーグの大一番に臨むが、気がかりなのはチームを牽引するエースストライカー、ジエゴ・コスタのケガの状態だ。ディエゴ・シメオネ監督も「バルセロナにとっての(リオネル・)メッシ、レアル・マドリーにとってのクリスチアーノ・ロナウド」と評するこのFWの回復を祈っている。

現在、6試合を残してスペイン・リーガで首位に立つアトレティコは、1日の準々決勝第1戦を1-1のドローで終え、第2戦でスペインの首都マドリードにFCバルセロナを迎える。シメオネ監督は、エスタディオ・ビセンテ・カルデロンの観客が9日の決戦で普段とは違う雰囲気を作ってくれるよう願っている。一方、バルセロナのヘラルド・マルティーノ監督は、今季ここまで4度の顔合わせで自らのチームが一度も先制していない点を指摘し、今回こそ先にゴールを奪いたいと語った。

アトレティコ
ディエゴ・シメオネ監督

“世界には特別なスタジアムがあるが、ここもそのひとつだ。ファンにゴールは決められないが、彼らにはエネルギーがある”。サポーターが試合開始から我々を後押ししてくれると確信しているし、ピッチの上でその声援に応えたいね。UEFAチャンピオンズリーグの歴史でも屈指の熱い試合になるだろう。全く異なるスタイルを持つチームの激突だ。

(第1戦の)結果には、何の意味もない。バルセロナは常に攻撃的なプレーをし、(最長で)120分間の戦いは彼らに最適なものである。最近もサンチャゴ・ベルナベウで4ゴールを挙げている(3月23日、レアル・マドリーCFとのリーグ戦)し、プレッシャーに影響されるとは思えない。我々は近年でも最高のバルセロナの選手たちと相まみえることになる。相手にとっても特別な試合だが、彼らはこうした大一番に慣れている。

ジエゴ・コスタは、状態が戻れば出場してもらう。100%に少し足りないようなら、ベンチからのスタートとなるだろう。それ以下の回復度なら欠場となる。練習で(コスタの状態を)見極めなければならない。出場が難しいなら、アドリアン・ロペスが代わりに出場する。アドリアンも、きっと素晴らしいパフォーマンスを見せてくれるはずだ。

最近の試合では何人かの選手を入れ替えた。チームのコンディションを良い状態で保つには大切なことだ。シーズンの今の時点でも戦えるようにと、これまでもフィジカルの強化には力を入れてきた。

先週末の結果
5日:アトレティコ 1-0 ビジャレアルCF(ラウール・ガルシア 14分)
クルトワ;フアンフラン、アルデルワイレルト、ゴディン、;ラウール・ガルシア、マリオ・スアレス、コケ、(チアゴ 57分);ジエゴ(ソサ 70分)、ビジャ(アドリアン 61分)

先週末の勝利でアトレティコは勝ち点を79とし、この時点で昨季終了時の勝ち点(76)を上回った。前回これ以上の勝ち点を積み上げたのは1995-96シーズンの87ポイントで、このときはスペイン・リーガを制している。

チーム情報
ジエゴ・コスタは第1戦で太ももを痛め、前半30分に足を引きずりながらピッチを去った。このFWは第2戦のメンバーに含まれているが、アルダ・トゥランはそけい部の負傷で欠場が確定。一方、首のケガで4週間試合から遠ざかっていたハビ・マンキージョは復帰する見込みだ。

バルセロナ
ヘラルド・マルティーノ監督

今の時点で結果を予想するつもりはない。我々に必要なのは、アトレティコよりも良いプレーをしてこの試合に勝つことだ。お互いに、相手チームのことは知り抜いている。全く異なるプレースタイルで戦うことになるだろう。私に言えるのは、バルセロナが今季これまでの(アトレティコとの)対戦で、1度も先制していないということだ。今回こそ先制点を挙げ、試合の主導権を握らなければならない。アトレティコは90分間を通じて、うちに主導権を握らせてくれるようなチームではない。とはいえ、それが我々の好むスタイルなのだから、明日の試合でもボールポゼッションを目指したいね。

アトレティコの選手は全員出場可能だとの前提に立って、試合に備える必要がある。ジエゴ・コスタのような選手なら、監督はギリギリまで出場の可否を見極めたいと思うはずだ。

リオネル・メッシは出場するすべての試合で最高のパフォーマンスを示すのが当たり前になっているから、そうでないように見えるときには逆に注目を集めてしまう。同じ相手と何試合も戦って、ゴールがないとなれば、驚く人もいるだろう。この4カ月、メッシはチームにとって非常に重要な存在だった。今後も常にバルセロナの勝利に貢献してくれるはずだ。ベストの状態のメッシは、相手チームにとっては常に警戒を要する選手だから、全力で阻止しようとするのも無理もない。

これまでのアトレティコとの試合は非常に拮抗していたが、後半になると我々が優勢に立つケースが多かった。今回も簡単には行かないだろうが、こちらが試合の主導権を握って先制点を挙げれば、これまでと違った結果が出るかもしれない。(3月に)レアル・マドリーを下したバルセロナと、先週アトレティコと(第1戦で)戦ったチームに大差はない。最大の違いは、片方では勝ち、もう一方では引き分けに終わったという点だ。

先週末の結果:
5日:バルセロナ 3-1 レアル・ベティス・バロンピエ(メッシ 15分PK 86分、ジョルディ OG 67分;ルベン・カストロ 68分)
ピント;アウベス、バルトラ、マスチェラーノ、アドリアーノ;シャビ(ソング 88分)、ブスケツ、イニエスタ(ファブレガス 79分);、メッシ、(ネイマール 79分)

バルセロナは累積警告でジョルディ・アルバが欠場したが、ホームで迎えた5日のリーグ戦に3-1で勝利。これでチームは7戦無敗となり、うち6試合に勝利している。

チーム情報
ビクトル・バルデスはひざ靱帯の断裂で今季中の復帰は絶望的。ジェラール・ピケも第1戦で臀部を痛めた。カルレス・プジョールもひざの負傷から完全に回復していないが、第2戦のメンバーには入った。アンドレス・イニエスタはバルセロナで通算500試合出場達成にあと1試合と迫っている。

試合情報
アトレティコはこれまで公式戦のホームゲームで106試合をバルセロナと戦い、通算成績は50勝23分け33敗。

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