得意のホームで突破を目指すアトレティコ

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UEFAチャンピオンズリーグ準々決勝第2戦、同じスペイン・リーガのライバル、FCバルセロナをホームに迎え撃つクラブ・アトレティコ・マドリー。UCLのホームゲームではここまで好調で、連勝記録を5試合に伸ばして突破を決めたいところだろう。第1戦で両者は1-1で引き分けている。

ロヒブランコス(アトレティコの愛称)は、ホームでの強さをよりどころに戦うはずだが、バルセロナもこのスタジアムでは4年間負けがなく、敵地とはいえ怖じ気づくことはなさそうだ。7シーズン連続のUCL準決勝進出を目指すブラウグラナ(バルセロナの愛称)は、豊富な経験にものを言わせ、1997年以来のベスト8となるアトレティコを相手に、優位に試合を進めたいと考えているはずだ。

両チームの対戦は、バルセロナのヘラルド・マルティーノ監督、アトレティコのディエゴ・シメオネ監督というアルゼンチン人指揮官同士の対決でもある。

過去の対戦
アトレティコはこれまで公式戦のホームゲームで106試合をバルセロナと戦い、通算成績は50勝23分け33敗。

今年1月11日にビセンテ・カルデロンで行われたリーガの試合は、両者譲らず0-0の引き分けに終わった。この試合の出場メンバーは以下の通り:
アトレティコ:クルトワ、、ゴディン、ミランダ、、チアゴ(ロドリゲス 82分)、、アルダ・トゥラン、、ビジャ(ガルシア 77分)、コスタ
バルセロナ:バルデス、アウベス、マスチェラーノ、ピケ、アルバ、ブスケツ、シャビ、イニエスタ(メッシ 46分)、ペドロ( 82分)、サンチェス( 67分)、ファブレガス

両チームが2試合制の勝負で最後に対戦したのは、昨年8月に行われた今季のスペイン・スーパーカップ。リーガ王者のバルセロナは、スペイン国王杯の覇者アトレティコをアウェーゴール差で下している。バルセロナはマドリードで行われた第1戦を1-1で引き分けた(ネイマールのバルサ移籍後初得点がダビド・ビジャの先制点を帳消しにした)あと、カンプ・ノウでの第2戦を0-0で終えている。

アトレティコは2010年2月にディエゴ・フォルランとシモンのゴールで2-1の勝利を収めて以来、ホームでバルセロナに勝ったことがない。これ以降、バルセロナは敵地ビセンテ・カルデロンで5戦無敗。最新の勝利は2013年5月のリーガの一戦で、バルセロナはラダメル・ファルカオのゴールで先制されたものの、アレクシス・サンチェスのゴールで追いつくと、試合終盤のガビのオウンゴールで2-1と勝利した。

両チームがスペイン国王杯で対戦したのは、2008-09シーズンのベスト16が最後。バルセロナは2試合合計5-2でアトレティコを下している。

シメオネ監督はアトレティコでプレーしていた現役時代の1996年、スペイン国王杯の決勝でカルレス・ブスケツ(バルセロナのMFセルヒオ・ブスケツの父)を擁するバルサと対戦し、延長戦の末に1-0で勝利を収めている。同大会の決勝で両チームが対戦したのは、この試合を含めてわずか2回。1926年の初回は3-2でバルセロナに軍配が上がった。

マッチ・バックグラウンド
1974年の欧州チャンピオンズカップ以来の準決勝進出を目指すアトレティコは、ホームのビセンテ・カルデロンでは無類の強さを誇り、今季のベスト16でもACミランを4-1と粉砕。UEFA主催大会のホームゲームでは過去17試合で16勝、今季もここまで4連勝中だ。この間、唯一のホーム黒星は2013年2月、0-2で敗れたUEFAヨーロッパリーグ・ベスト32のFCルビン・カザニ戦のみ。

アトレティコが準々決勝に駒を進めたのは、現役時代のシメオネ監督を含むチームがAFCアヤックスに2試合合計3-4で敗れた1996-97シーズン以来。準々決勝には過去5回勝ち進み、3勝2敗の成績を残す。

対照的に、欧州制覇4回の実績を誇るバルセロナは、これが7シーズン連続のベスト8進出となる。欧州チャンピオンズカップ時代を含めて準々決勝に勝ち上がったのは16回目となり、これまでの成績は13勝2敗。決勝に勝ち進んだ1991-92、1993-94シーズンは準々決勝に相当するステージがなかった。

バルセロナはベスト16のアウェーマッチでマンチェスター・シティーFCに2-0で勝利。また、今季のUCLではアウェーで4試合を戦い、負けたのは1試合のみ。

UEFA主催大会でバルセロナがホームでの第1戦を引き分けたことは10回あり、そのうち5回で勝ち上がっている。直近では2008-09シーズンのUCL準決勝チェルシーFC戦で第1戦をスコアレスドローで終えたあと、第2戦でも1-1で引き分け、アウェーゴール差で突破した。

第1戦がホームで1-1の引き分けだったときのバルセロナの通算成績は3勝2敗。前回、このケースとなった1994-95シーズンの準々決勝ではパリ・サンジェルマンに第2戦にアウェーで1-2と負け、敗退している。

バルセロナが欧州カップ戦でスペイン勢と対戦するのは、レアル・マドリーを下した2010-11シーズンの準決勝以来。ジョゼップ・グアルディオラ監督(当時)率いるチームは敵地マドリードで2-0と快勝(メッシが2ゴール)し、地元バルセロナで1-1と引き分けている。

UEFA主催クラブ大会における2試合制の勝負で、バルセロナは9回対戦したスペイン勢に4勝5敗。また、モナコで行われた2006年のUEFAスーパーカップでは、セビージャFCに0-3で敗れている。

バルセロナが欧州カップ戦でスペインのチームを下し、その後に決勝へ勝ち上がったケースは2回ある。最近ではレアル・マドリーを倒した2011年。それ以前には、1960-61シーズンの1回戦で同じくレアル・マドリーに2試合合計4-3で競り勝った。

アトレティコはUEFA主催クラブ大会でのスペイン勢対決を得意にしている。2シーズン前のUEFAヨーロッパリーグでは、準決勝でバレンシアCFに2試合合計5-2で勝利。続く決勝でもアスレティック・クラブに3-0と快勝した。また、同じく優勝した2010年のUELでも、バレンシアとの準々決勝にアウェーゴール差で勝利を収めている。このときにはアウェーでの第1戦を2-2のドローで終えたあと、本拠地ビセンテ・カルデロンでスコアレスドローに持ち込んだ。

UEFAインタートトカップを除くと、アトレティコは欧州カップ戦における2試合制の勝負でスペイン勢と4回対戦。唯一倒せなかったのは、1958-59シーズンの欧州チャンピオンズカップ準決勝で対戦したレアル・マドリーだった。両チームともホームゲームで勝利を収めたが、ロス・メレンゲス(マドリーの愛称)がサラゴサでの再試合に2-1で競り勝っている。

アトレティコのUEFA主催クラブ大会でのPK戦の戦績は以下の通り:
1-3 vs ビジャレアルCF、2004年UEFAインタートト・カップ決勝
1-3 vs ACFフィオレンティーナ、1989-90シーズンUEFAカップ1回戦
6-7 vs ダービー・カウンティーFC、1974-75シーズンUEFAカップ2回戦

バルセロナのUEFA主催クラブ大会でのPK戦の戦績は以下の通り:
5-4 vs KKSレフ・ポズナニ、1988-89シーズンUEFAカップウィナーズカップ2回戦
0-2 vs FCステアウア・ブカレスト、1985-86シーズン欧州チャンピオンズカップ決勝
5-4 vs IFKイエーテボリ、1985-86シーズン欧州チャンピオンズカップ準決勝
4-1 vs RSCアンデルレヒト、1978-79シーズンUEFAカップウィナーズカップ2回戦
3-1 vs イプスウィッチ・タウンFC、1977-78シーズンUEFAカップ3回戦
5-4 vs AZアルクマール、1977-78シーズンUEFAカップ2回戦

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