アトレティコ、ミランを圧倒してベスト8へ

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UEFAチャンピオンズリーグ・ベスト16第2戦でクラブ・アトレティコ・マドリーはACミランを圧倒。4ゴールの快勝で、ディエゴ・シメオネ監督率いるチームは17年ぶりのUEFAチャンピオンズリーグ8強入りを果たした。

第1戦ではジエゴ・コスタが終盤に頭で決めてロヒブランコス(アトレティコの愛称)が先勝し、わずかながらベスト16突破に向けて優位に立って第2戦に臨んだ。するとこのスペイン代表ストライカーは、第2戦でも早々にゴールを奪い、チームのリードをさらに広げる。しかしミランも逆襲すると、激しい展開となった前半のうちにカカのゴールでこの試合のスコアを1-1として、逆転突破への望みをつないだ。しかしアルダ・トゥランのシュートが相手選手に当たって決まり、前半のうちにアトレティコがリードを取り戻す。後半にはラウール・ガルシア、さらにジエゴ・コスタも自身の2点目をマーク。4ゴールの大勝でアトレティコが突破を決めた。

第2戦の前には、ミランのクラレンス・セードルフ監督が先制点の重要性を強調。対するアトレティコのシメオネ監督は試合のコントロールと警戒の必要性を説いたが、序盤の試合展開はこうした発言とは相反するものだった。開始早々に、ミランのマイケル・エシアンのミスに乗じたガビがボールを奪い、コケに渡る。さらにコケが送った鋭いクロスをジエゴ・コスタが高くジャンプして決め、アトレティコが開始3分で先制点を奪った。

欧州カップ戦のホームゲームではここ16試合で15勝と圧倒的な強さを誇るアトレティコは、その後も攻撃の手を緩めない。コケが再びクロスを上げたが、ディエゴ・ゴディンのシュートはわずかに枠をそれた。しかしミランも息を吹き返して反撃、これが27分の同点ゴールにつながる。レアル・マドリーCF時代の2009年にこのスタジアムでゴールを決めた経験を持つカカが、アンドレア・ポーリの右サイドからのクロスを頭で押し込む。ボールはフアンフランに当たってネットを揺らし、ミランが1-1と追いついた。

するとこの同点ゴールをきっかけに、試合の流れが大きく変わり、欧州制覇7回の実績を持つミランが攻勢に出る。ホームのファンの緊張感もにわかに高まるなか、カカのヘディングシュートはわずかに枠を外れた。この展開にシメオネ監督が不満をあらわにすると、アトレティコの選手たちも発奮。ラウール・ガルシアが胸で落としたボールを受けたアルダがシュートを放つと、ミランのアディル・ラミに当たってコースが変わる。これがGKクリスティアン・アッビアーティの逆を突き、運も味方してアトレティコが再びリードを奪った。これで落ち着いたアトレティコは、さらに貪欲にゴールを求め、ラウール・ガルシアがオーバーヘッドキックを披露。しかしこれはわずかに枠をとらえきれなかった。

今季のUCLで無敗を誇る2チームのうちの一つ(もう1チームはレアル・マドリー)であるアトレティコは、後半には完全に試合を支配。ジエゴ・コスタが強烈なシュートを放つがこれは枠の外へ。さらにガビもゴールを狙ったが、ポストの外側を叩いた。疲れの色が見え始めたミランは71分、決定的な失点を喫する。ガビがFKを蹴った場面で、高くジャンプしたラウール・ガルシアがナイジェル・デ・ヨングとラミを抑え、アッビアーティを破って3-1とした。

そしてこの日のゴールラッシュを締めくくったのは、先制点を決めたジエゴ・コスタだった。交代出場のホセ・ソサからパスを受けると、ポスト際に低い弾道の強烈なシュートを放ち、チームの4点目をマーク。こうして突破を決めたアトレティコは1997年以来のベスト8進出が決定。前回はAFCアヤックスの前に敗退したが、奇しくもこのときのメンバーだったシメオネ監督は、間もなく17年前の雪辱のチャンスを迎えることになる。

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