GSレビュー:クラブ・アトレティコ・マドリー

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クラブ・アトレティコ・マドリーは1974年の欧州チャンピオンズカップ決勝でFCバイエルン・ミュンヘンに敗れて以来、“エル・プパス”(不運なやつら)というありがたくない愛称で呼ばれてきた。しかし、ディエゴ・シメオネ監督が就任してからは上昇軌道に乗っており、今シーズンのUEFAチャンピオンズリーグで優勝争いの有力候補とみなされるまでに至っている。

ベスト16までの道のり
「戦術面で完璧で、集中力があり、気骨たっぷり。ディエゴ・シメオネ監督はそういう選手だったが、アトレティコはまさに彼のようなチームになっている」。これはアトレティコの宿敵、レアル・マドリーCFを率いるカルロ・アンチェロッティ監督の言葉だ。グループステージではその強さを遺憾なく発揮し、決して簡単ではないグループGで2試合を残して首位通過を決めた。

FCゼニトとの初戦では何度かピンチにもさらされた。本拠地ビセンテ・カルデロンで先制するも、フッキに強烈な同点ゴールを決められると、一時は主導権を奪われてしまう。しかし、2010年と2012年にUEFAヨーロッパリーグ優勝を果たしたチームは落ち着きを取り戻し、最後は3-1の勝利を収めた。続いてFCポルトのホームでも勝利。FKオーストリア・ウィーンとの2連戦では出場停止明けのジエゴ・コスタが計3ゴールを挙げ、連勝したアトレティコは決勝トーナメント進出を決めた。

ハイライト
2008-09シーズンのUEFAチャンピオンズリーグでポルトに屈してベスト16敗退に終わったアトレティコは、その翌シーズンのグループステージでも同じ相手に2敗を喫し、行く手を阻まれた。その過去があるだけに、ポルトの本拠地エスタジオ・ド・ドラゴンで臨んだ第2節でジャクソン・マルチネスに先制ゴールを許すと、敗色濃厚に見えた。しかし、後半に入ってからディエゴ・ゴディンのゴールで追いついたアウェーチームは、86分にアルダ・トゥランが勝ち越し点を決めてひっくり返し、昨季のチャンピオンズリーグでホーム全勝をマークしたポルトに土をつけた。

キープレーヤー:
シーズン開幕前は戦力外となる可能性さえ噂されていたMFラウール・ガルシアだが、UEFAチャンピオンズリーグで卓越したパフォーマンスを見せるまでに成長。グループステージの6試合で2得点した27歳は、UEFA.com最高評価選手にも3試合連続で選ばれている。「ドレッシングルームで他の選手が見習うべき選手だ」。シメオネ監督は先日、パンプローナ出身のMFについてこう語っている。

注目の俊英:
は、2012年のUEFA U-19欧州選手権で共にスペインを優勝へ導き、その後期限付きでFCバルセロナからエバートンFCへ移ったジェラール・デウロフェウや、レアル・マドリーCFのヘセほど成功していなかった。シメオネ監督もポルトとのグループステージ最終戦の前に「彼にはもっと期待している」とコメント。しかし、トーレスはこの試合で見違えるパフォーマンスを披露する。守備陣の頭を超すロングパスでジエゴ・コスタがチームの2点目を決めるのもアシストし、2-0の勝利に貢献した。

数字:10
第4節で首位通過を確定させたアトレティコは、その後1勝1分けとしてグループGを無敗でフィニッシュ。最終的に2位のゼニトに10ポイント差をつけた。

名言
「リーグとUEFAチャンピオンズリーグで好調を続けているが、居眠りするわけにはいかない。1試合ずつ取り組んでいく必要がある」
シメオネ監督のこの実践的アプローチは成果を上げている

次の対戦相手:ACミラン
(アウェー:2月19日、ホーム:3月11日)
アトレティコ陣営はミランが最近国内で不振に陥っていることを知りながら、欧州の舞台では安定した強さを見せている強豪を十分に警戒している。ミラン戦の前後には国内の重要な試合が組まれており、この時期は三つの戦線で全力を尽くすというアトレティコの決意が試されることになる。

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