アトレティコ・マドリーのコロンビア代表FWラダメル・ファルカオが、26日に行われた今シーズンのホーム最終戦のマジョルカ戦後のサポーターへの挨拶で見せた思い深げな表情は、やはりチームとの別れを示していたようだ。
スペインのメディアは28日、ファルカオのモナコへの移籍が内定したことを一斉に伝えた。報道によると、両クラブは条件面で合意に達し、ファルカオもメディカル・チェックをパスしたため、29日に行われる契約書への調印をもって移籍手続きが完了するとのことだ。
なお、ファルカオの移籍金は報道によって異なるものの、『マルカ』紙および『アス』紙は、アトレティコ・マドリーから同選手を獲得した際の金額であり、契約解除に伴う違約金として設定されている6000万ユーロ(約78億6000万円)を下回る、4500万ユーロ(約59億0000万円)になると伝えている。とはいえ、ファルカオがこの2シーズンの間にクラブにもたらした収益を考えれば、アトレティコ・マドリーにとっては十分に実りある金額となる。一方、ファルカオのモナコでの年俸は1400万ユーロ(約18億3000万円)になる模様だ。
ファルカオは昨年夏、迎えるシーズンでチームがチャンピオンズリーグ出場権を獲得した場合、今年夏に自由に移籍できるとの約束をアトレティコ・マドリーと交わしていたと見られている。だが、いくら好条件の契約を手にできるとはいえ、チャンピオンズリーグに出場するアトレティコ・マドリーを退団してまで選んだ移籍先が、関心が囁かれてきたレアル・マドリーやマンチェスター・U、マンチェスター・C、チェルシーといったビッグクラブではなく、リーグアン(1部)に昇格したばかりのモナコというのは奇妙な話だ。
それゆえ、一部では耳を疑うような噂が早くも流れ始めている。ファルカオはレアル・マドリー行きを希望しているものの、この地元ライバルへの“禁断の移籍”を成立させるのは極めて難しいうえに、あまりにも障害が多いため、一時的な中継点としてモナコでプレーするというものだ。実際、過去には同様のケースが存在し、元メキシコ代表のウーゴ・サンチェス氏は、アトレティコ・マドリーを退団した後、母国のプーマスに数日間だけ在籍し、レアル・マドリーへ移籍するという離れ業をやってのけている。
今回のファルカオはそこまで露骨ではないものの、モナコでの初年度に自身とクラブが一定の成績を残せば他クラブへ移籍できる、との条項が契約に盛り込まれているとも推測されている。
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