5日間で2度目のハットトリックを決めたファルカオを筆頭に、クラブ・アトレティコ・マドリーがモナコで素晴らしいパフォーマンスを披露。チェルシーFCを下して通算2度目のUEFAスーパーカップ制覇を果たした。
アトレティコのディエゴ・シメオネ監督は、27日のアスレティック・クラブ戦でのファルカオのプレーを「驚異的」と評価していたが、前半だけで3得点を奪った今回も、このコロンビア代表FWに再び最上級の賛辞を贈ることになるだろう。ファルカオは6分の先制点を皮切りに、19分、そしてハーフタイム直前と、正確なフィニッシュでネットを揺らした。
ゴールラッシュはそれで終わらず、60分にはミランダが至近距離からGKペトル・チェフの上を抜いて4点目をマーク。15年前、スタッド・ルイ2世での最初のUEFAスーパーカップを制したチェルシーだったが、そのときの再現はかなわず、75分になってガリー・ケーヒルが、同じ舞台で大会最後のゴールを記録するのが精いっぱいだった。UEFAスーパーカップは今後3年間、プラハ、カーディフ、そしてトビリシで行われることが決まっている。
アトレティコは立ち上がりから欧州王者のゴールに襲い掛かり、開始4分には早くも先制のチャンスを迎えた。フィリペ・ルイスが左サイドから入れたクロスを、アシュリー・コールに競り勝ったファルカオが力強く蹴り込んだが、シュートはクロスバーを直撃した。
しかし、スタジアム内の赤白に染まったアトレティコのサポーターエリアは、すぐに歓喜に沸くことになる。チェルシー守備陣の中央に通したアドリアン・ロペスのパスを、背番号9番がペナルティーエリアの隅からカーブをかけて狙うと、シュートはチェフが伸ばした腕を越え、ダビド・ルイスの決死のダイビングも空しく、ポストに当たってネットに収まった。
アトレティコはスピード感あふれる攻撃を自在に展開。華麗なテクニックも披露し、ピッチ内でしばしば数的優位の状況をつくった。そしてガビの一撃がチェフに阻まれ、アルダ・トゥランのヘディングシュートがわずかに枠を外れたのち、追加点が決まる。アドリアンとの連携でスペースを得たコケが、ダビド・ルイスを欺いてファルカオにパス。一瞬、顔を挙げて間を取ったファルカオは、ゴール上隅を打ち抜くシュートを放った。
チェルシーのロベルト・ディ・マッテオ監督は、相手の選手たちが大挙して通り過ぎるのをタッチライン際からただ見ていることしかできなかった。ガビのシュートは再びチェフが阻止。35分にはアドリアンのふかしたシュートをファルカオが頭でとらえたが、これも枠に阻まれた。
しかし10分後、終始活発な動きを見せたアルダ・トゥランが右サイドをフリーで駆け上がる。逆サイドでファルカオが上がってくるのを待ったトルコ代表は、中に切れ込んでそのファルカオにボールを渡す。最初のタッチでラミレスをかわしたファルカオは、ボールをチェフの下に滑り込ませた。
後半は、前半ほど盛り上がらなかったが、ミランダが見事なシュートを決め、フィニッシュの精度が高いのはファルカオだけではないところを示した。チェルシーは終盤、ダビド・ルイスがエムレ・ベロゾールのクロスを誤って自陣ゴールのポストに当ててしまうというシーンも。何とかケーヒルが一矢報いたものの、ファルカオとアトレティコの夜に水を差すことはできず、アトレティコが2度目のUEFAヨーロッパリーグとUEFAスーパーカップの2冠を達成。2年間に4つ目の欧州タイトルを獲得した。
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