初栄冠へ意気込むシメオネ監督

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昨年12月にクラブ・アトレティコ・マドリーの監督に就任したディエゴ・シメオネ監督だが、現役時代さながらの闘志でチームを統率してきた。そして今、選手時代の監督の一人であるマルセロ・ビエルサ監督と激突する9日のUEFAヨーロッパリーグ決勝での栄冠獲得を目指している。

「やはり優勝は素晴らしいものだ」。母国アルゼンチンで指導者としてのキャリアを開始したあと、カルチョ・カターニを短期間指揮。そして昨年のクリスマス前にグレゴリオ・マンサーノ前監督を引き継いだシメオネ監督は、こう語った。MFとして2度の在籍期間を経たクラブで、42歳の指揮官は新しい役割を見事にこなしている。

「(監督としての方が)冷静にやれていると思う」とシメオネ監督はUEFA.comに語った。「選手としてなら自発的に動いたり直感的にプレーしたりできるが、今は監督としてチームの中での心理バランスをとることを求められる。現状を見ても、やはりそうだ。喜びも味わうし、責任もある。感情は揺り動かされるが、プレーするのは選手たちであって監督ではない。監督になると考えることがとても多く、1日25時間であるかのように働いているよ。1日中、アトレティコのことを考えているんだ」

シメオネ監督は1998年、FCインテル・ミラノの一員としてUEFAカップの優勝杯を掲げた。選手と監督の両方での大会(UEFAカップ時代を含む)制覇は、アトレティコが勝てば彼で3人目となる。決勝で対戦するアスレティック・クラブとは、今年3月に対戦しており、2-1で勝利。しかし、ブカレスト国立競技場が舞台となる大一番では、その結果は参考にならないことをシメオネ監督は承知している。

「速くコンパクトに戦う必要がある。そして、リーグ戦の試合より集中しなければならない」とシメオネ監督は語った。「リーグで対戦したことのあるスペインのチームとの試合となれば、あらゆるレベルでお互いを知り尽くしている。同国勢の対戦ということで一番大きいのは、スペインのサッカー界にとって非常に重要な試合になるということだ」

しかしその前に、シメオネ監督はアスレティックに大きな敬意を抱いている。「とても激しく戦うチームで、ダイレクトなスタイルでスピードある勇敢なプレーをする。アウェー戦でも自分たちのサッカーをすることを恐れないしね。シーズンを通して、そういう戦いをしてきた。相手のチームと監督のことはよく知っているよ。親善試合だろうが決勝だろうが同じように戦うチームだ」

確かに、シメオネ監督はアスレティックの監督を知っている。アルゼンチン代表としてビエルサ監督の下でプレーしており、当時歴代最多だった106個目の最後の代表キャップもビエルサ監督が指揮した2002年FIFAワールドカップで獲得した。「いつも言っているように、彼のことはとても尊敬している。偉大なプロフェッショナルとして、よく覚えているよ」とシメオネ監督はコメントした。

しかし、セビージャFCやSSラツィオでも守備的MFとしてプレーしたシメオネ監督は、敵将を熟知していることが決勝で役立つとは考えていない。「プレーするのは選手たちであって、我々はそれを見守るだけだ」と繰り返した。また、2年前にフラムFCを倒して王者に輝いたアトレティコの経験にも頼ろうとしていない。

「こういう試合になると、過去に同じ舞台を経験していればどんな戦いになるかをイメージできるが、だからといって何も保証されない」とシメオネ監督は言う。「選手たちは、どんな感じになるかを知っている。緊張感やプレッシャー、その対処法といったことをね。それを生かしてプレーし続けてほしいが、やはりそれで結果が決まるとは思わない」

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