アトレティコ・デ・マドリーの元カピタンであり、ロヒ・ブランコを現在も心のクラブとするチェルシーのフェルナンド・トーレスが、『マルカ』のインタビューに応じた。トーレスは同インタビューで、チェルシーに移籍した理由、自身と境遇が重なるクン・アグエロの将来、アトレティコで引退する可能性などについてコメントした。
―チェルシー移籍は以前から頭にあったことなのでしょうか?
「状況を改善するため、他に移籍できるクラブがあったかい? ユナイテッドはリバプールへの敬意によって無理で、マドリーは僕の過去を考えれば不可能だ。また、バルサが新たな選手を必要としているとは思えないし、イタリアは僕の肌に合わない。つまり、残った選択肢はチェルシーだけだったんだ。そして移籍市場が閉まる20日前、事態は急転した。何も期待していなかったけど、真っ暗な廊下に光が灯ったんだ。リバプールにあと6カ月残っていれば、その期間は3年ほどに感じただろう」
―リバプールで何があったのでしょうか?
「僕が彼らのアイドルであったことは分かっていたけど、実際はそうじゃなかった。アイドルとして生きることは、誰にもできないんだ。ラファ・ベニテスが退団したことは大きな要因だったね。またクラブは、重要な選手を売却していくカオスな状況にあった。すべてはクラブのポジティブなプロジェクトとされていたけど、僕にはアトレティコに在籍していた時代と重なった。偉大な歴史があり、素晴らしいアイデアを持つクラブでも、金がなければ何をやるにも時間がかかる。僕にとって、クラブの方針は十分なものではなかった」
―なぜそのようなことを言うのですか? 誰かに裏切られたと感じているのでしょうか?
「フットボールが、誠実な人々のスポーツではないからだよ。誰も本当のことや、明らかなことを言えないんだ。すべては駆け引きで、誰も友達じゃない」
―マドリーは“背番号9”の選手を探していました。あなたに声をかける可能性を考えましたか?
「そのような考えを持つことは絶対にない。僕の選択肢はチェルシーだけだったんだ。実際、チェルシー以外に僕に興味を持ったクラブは現れなかった。頭に浮かんだことはあったが、実現する可能性は皆無に等しいよ」
―あなたのアトレティについては、どう見ていますか? 2冠を達成した際にはチームが安定し始めたように映りましたが…。
「難しいシーズンを送ると想像していたよ。(2冠のような)偉業を繰り返し達成することは難しいからね。大切なのは、チームにとって重要な選手を留め続けることだ。あそこで僕がプレーした欧州カップ戦は、UEFAとインタートトだけだった。現在はチャンピオンズに出場するために戦っている。僕がプレーしていた時代も、そういう状況だったら良かったのに! あっちの人たちはそう見ていないかもしれないけど、彼らはいい時代を過ごしているよ。アトレティは少しずつ前に進んでいる。後退しないことが大事だね」
―クンがいないチームを想像できますか?
「ファンとしてであれば、違うことを言うだろう。でも選手としての立場からは、幸せを感じながらプレーする必要があると言う。もし彼が退団したいならば、その気持ちは完璧に理解することができる。選手が見合わない年俸をもらっていて、それが改善されないならば、他に自分を欲しがっているクラブを探すだろう。クンみたいな選手が幸せでないにもかかわらず、クラブにとどまり続けることは何も意味をなさない」
―クンの移籍先はどこでしょうか?
「マドリーに移籍することは、すべてのアトレティと同じように好まない。でも、もしマドリーに移籍しても、僕は彼を殺しに行くような人間ではない。良い決断だよ。クンのような選手が退団したいと思うのならば、それはクラブが彼と同じ歩幅で歩いていないということだ。チームが上位で戦えるならば、クラブを去りたいとは思わないだろう。現在の問題は誰もバルサ、マドリーと争えないことにある」
―リーガエスパニョーラを、スコットランド・プレミアリーグのように見ているのでしょうか?
「そうは見ていないよ。他チームが勝ち点を集められないのは、彼らが悪いチームだからじゃない。2強が凄まじいレベルにあり、そのペースに追いつくことができないんだ。彼らはでたらめな勝ち点を獲得しているんだよ! 2強は信じられないほど強くなった。セビージャ、バレンシア、そしてアトレティが弱くなったわけじゃない」
―アトレティで引退するつもりですか?
「それは僕への質問じゃないね。もちろんそうしたいけど、あそこで再びプレーできるか、クラブの一員に戻れるかは分からない。僕からアトレティへの扉を閉めたことは、一度だってない。彼らが望んでくれるならば帰るよ」
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