突破に王手をかけたアトレティコ

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先週アテネで行われた第1戦で、3-2の勝利を収めたクラブ・アトレティコ・マドリーは、ホームで迎える第2戦を前に、UEFAチャンピオンズリーグ・グループリーグ出場に向けて、大きく優位に立っている。しかしチームを率いるアベル・レシーノ監督は、試合前日の記者会見で、選手たちの気を引き締めるために、次のように語った。「すべてを成し遂げたと勘違いしていたら、思いがけないことが起こり、そのすべてを失う可能性もある」

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アトレティコのアベル・レシノ監督

これほどまでに、すべてが私たち自身に懸かっている試合は経験したことがない。ただ、いつもどおりの集中力と団結力、試合に向かう姿勢、そしてファンからのサポートがあれば、パナシナイコスを敗退に追いやるのもそう難しくないだろう。しかし、われわれがおごった態度で相手を見くびるようなことがあれば、大変なことになってしまう。フットボールの世界はとても複雑だ。すべてを成し遂げた勘違いしていたら、思いがけないことが起こり、そのすべてを失う可能性もある。UEFAチャンピオンズリーグのグループリーグまで、あと一歩のところまできている。気概を見せなければならない。

パナシナイコスのヘンク・テン・カテ監督
アトレティコ・マドリーは、ホームでとても強いチームだ。だが、われわれにも得点チャンスが何度か訪れるはずであり、プライドとクラブの威信をかけて戦う。アテネで起こった大火事によって、動揺している選手もいる。彼らはその現場から近いところに住んでいるのだ。昨日、アテネには濃い煙が立ちこめており、チームドクターの判断で練習を中止した。それは選手たちにとっても非常に危険なものだったからだ。(負傷中のギョルゴス・)カラグーニスはUEFAチャンピオンズリーグで豊富な経験を持っているが、明日の試合は欠場する。だがわれわれは選手層の厚いチームである。ほかの選手たちは、カラグーニスほどの経験を持たないが、大きなハートを有している。

データ
パナシナイコスFCがグループリーグに駒を進めるには、スペインの地でのクラブ史上初となる勝利を収めなければならない。一方、アトレティコは敵地アテネでの第1戦に3-2と先勝し、第2戦を圧倒的優位な立場で迎える。パナシナイコスの本拠地で行われた第1戦では、(36分)、(63分)、(70分)が得点。ディミトリス・サルピンギディス(47分)による同点ゴールで、いったんはスコアを1-1としたパナシナイコスは、さらに74分にセバスティアン・レトが1点差に詰め寄るゴールを決めている。

アトレティコが前回パナシナイコスと対戦したのは、2007-08シーズンのUEFAカップ・グループリーグ。その時は2-1の勝利を収めた。今回もそのスコアを再現できれば、予選を突破できる。

テン・カテ監督率いるパナシナイコスは、通算9度目のUEFAチャンピオンズリーグ・グループリーグ出場を目指す。1996-97シーズンはローゼンボリBKに敗れて予選で敗退したが、残る過去6回の予選はいずれも突破に成功した。一方、アトレティコは通算3度目のグループリーグ出場を狙う。予選に出場したのは、予選3回戦でFCシャルケ04を下した昨季が初めてだった。

パナシナイコスのスペイン勢とのアウェーの対戦成績は、あまり芳しくない。これまでに10試合を戦い、1分け9敗と大きく負け越している。一方、アトレティコはギリシャ勢を迎えたホームゲームで5戦全勝している。

プレーオフまでの道のり
ロス・コルチョネーロス(アトレティコの愛称)は2008-09シーズンのスペイン・リーガで4位となり、今季のUEFAチャンピオンズリーグのプレーオフ出場を達成。3度目のグループリーグ出場を目指すことになった。

昨季のギリシャ1部リーグで3位となったパナシナイコスは、4チームによるプレーオフを経て、今季のチャンピオンズリーグ予選3回戦への出場権を獲得した。ACスパルタ・プラハと対戦した予選3回戦では第1戦を落としたものの、アテネで行われた第2戦で3-0と劇的な勝利を収め、2試合合計4-3で勝ち抜けている。その第2戦ではホセ・サリエギ、コスタス・カツラニス、サルピンギディスがゴールを決めた。

チーム情報
アトレティコ
負傷欠場:(鎖骨骨折)、イグナシオ・カマチョ(臀部)
出場停止:なし
あと一度の警告で次戦出場停止:なし

パナシナイコス
負傷欠場:・カンテ(そけい部)、ギョルゴス・カラグーニス(左脚)
出場停止:なし
あと一度の警告で次戦出場停止:ジブリル・シセ、ガブリエル、ブライス・ムーン、ニコス・スピロプロス

直近の試合結果
アトレティコはプレーオフ第1戦の後、公式戦なし

ギリシャ1部リーグ(2009年8月22日)
エルゴテリスFC 0-3 パナシナイコス
(シセ 9分、レト 40分、90分)

豆情報
パナシナイコスがグループリーグ進出を果たすには、二つ歴史を作らなければならない。一つはスペインの地での初勝利。もう一つは、ホームの第1戦を落とした欧州カップ戦での、初めての逆転勝利だ。パナシナイコスは過去、アテネで黒星を喫した後に第2戦を迎えた5度のケースでいずれも敗退している。

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