アンフィールドに舞台を移す首位対決

この記事は約5分で読めます。

グループDでは、2週間前にスペインの首都で1-1の引き分けに終わったリバプールFCとクラブ・アトレティコ・マドリーの再対決が、アンフィールドに舞台を移して行われる。リバプールのFWフェルナンド・トーレスは、古巣との首位対決に今度こそ挑みたいところだ。

トーレスは2001年から2007年までアトレティコに在籍し、243試合102得点を記録。グループリーグ第3節では古巣対決に注目が集まったが、負傷のためビセンテ・カルデロンに再び足を踏み入れることはかなわなかった。一方、第4節では、アトレティコのルイス・ガルシアとフローラン・シナマ・ポンゴーユが古巣リバプールの本拠地に戻ってくることになる。

ルイス・ガルシアは2007年にリバプールを退団し、アトレティコに加入。リバプールに在籍した3シーズンで77試合18得点を記録した。中でも特筆すべきゴールは、チェルシーFCと対戦した2004-05シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ準決勝の勝負を決めた1点だ。

シナマ・ポンゴーユも、リバプールの2004-05シーズンの優勝に大いに貢献した1人である。後半の3得点で逆転勝利を収めた2004年12月のオリンピアコスCFP戦で、反撃の口火となる1点目を決め、チームをグループ敗退の危機から救った。このフランス人FWは10代で加入したリバプールでは定位置獲得には至らなかったが、スペインで才能が開花。2シーズンを過ごしたRCレクレアティボ・デ・ウエルバでリーグ22得点を挙げ、今夏アトレティコに移籍した。

今回の試合は両チームにとって、ベスト16進出を確定させるための大きな一歩となる一戦だ。両チームは現在、3位のPSVアイントホーフェンに4ポイント差の勝ち点7でグループDの首位に並ぶ。第4節のもう1試合でPSVがアウェーのオリンピック・マルセイユ戦に負けることが条件となるが、勝ったチームはグループリーグ突破を確定する。

第3節の対戦では、14分にロビー・キーンがゴールを決め、リバプールが先制した。しかし、ハビエル・アギーレ監督率いるアトレティコは、83分にシモンが殊勲の同点ゴールを奪い、勝ち点1を分け合った。

1996-97シーズン以来となるUEFAチャンピオンズリーグ出場を果たしたアトレティコは、第1節でPSVをアウェーで3-0、第2節でマルセイユをホームで2-1と下す好スタートを切り、第3節のシモンの同点ゴールで好調を維持している。

このゴールは、イングランド・キラーとしてのシモンの評判を裏付けるものとなった。シモンは、古巣のSLベンフィカでも2005-06シーズンの決勝トーナメント1回戦でリバプールを相手に先制ゴールを挙げ、アウェーでの2-0の勝利に貢献し、連覇を目指したリバプールを2試合合計3-0で敗退に追いやった。このシーズンにはその前にも、オールド・トラフォードで行われたマンチェスター・ユナイテッドFC戦で、試合には1-2と敗れたものの、FKでゴールを決めている。ポルトガル代表でも、PK戦に持ち込まれたUEFA EURO 2004(TM)と2006年FIFAワールドカップのイングランド戦で途中出場からPK戦でキックを沈めている。

FWディエゴ・フォルランも、アンフィールドで勝利を味わった経験を持つアトレティコの選手の1人。マンチェスター・ユナイテッド在籍時の2002年12月、プレミアリーグの一戦でチームの全得点を挙げて、2-1の勝利につなげた。

リバプールもアトレティコと同じように、グループDで開幕2連勝を飾った。ラファエル・ベニテス監督率いるチームは、第1節ではマルセイユにアウェーで2-1と勝利。ホームで行われた第2節はPSVに3-1と快勝した。

リバプールはRスタンダール・リエージュを下した予選3回戦を含め、ホームで行われた欧州カップ戦で7戦連続無敗を続けている。

リバプールにはベニテス監督を筆頭に、シャビ・アロンソ、アルバロ・アルベロア、ペペ・レイナ、アルベルト・リエラ、トーレスの5人のスペイン出身選手が在籍し、アトレティコのことは熟知している。

トーレスは幼少時からアトレティコを応援し、1995年にユースに加入。トーレスと“アトレティ”との結びつきはよく知られるところだが、リバプールにはもう一人、アトレティコと特別な縁で結ばれた選手がいる。それはGKレイナ。父親のミゲルは、1974年欧州チャンピオンズカップ決勝進出を果たしたアトレティコでGKを務めた。

リバプールはスペイン勢を迎えたホームゲームの成績が驚くほど悪い。UEFA主催のクラブ大会で11試合を戦い、2勝5分け4敗。そのうち、6試合は無得点に終わっている。

前回アンフィールドに迎えたスペインのチームはFCバルセロナ。2006-07シーズンの決勝トーナメント1回戦で対戦し、エイドゥル・グジョンセンにゴールを許して0-1と敗れたものの、2試合合計ではアウェーゴール差で上回り、リバプールが勝ち進んだ。

リバプールがホームでスペイン勢を破ったのは、レアル・ソシエダ・デ・フットボルに6-0と大勝した1975-76シーズンのUEFAカップ2回戦と、ガリー・マカリスターのPKでバルセロナを1-0と下した2000-01シーズンのUEFAカップ準決勝第2戦のみ。

リバプールは同じ2000-01シーズン、UEFAカップ決勝でもスペイン勢と対戦し、デポルティボ・アラベスを5-4で下し優勝。1980-81シーズンの欧州チャンピオンズカップ決勝では、レアル・マドリーCFを1-0で下し、頂点に立った。

アトレティコのイングランド遠征の通算成績は1勝3分け2敗。直近の試合は、ボルトン・ワンダラーズFCと対戦した昨季のUEFAカップ決勝トーナメント1回戦第1節で、元リバプールのエル・ハジ・ディウフにゴールを決められ、0-1で敗れた。

アトレティコが唯一イングランドで勝利を収めたのは、1997-98シーズンのUEFAカップ1回戦。オズワルド・ジロウドとホセ・マリのゴールでレスター・シティーFCに2-0で快勝した。

ベニテス監督とアトレティコのアギーレ監督はいずれもパンプローナのクラブ、CAオサスナを指揮した経験を持つ。

アギーレ監督とベニテス監督は、前者がオサスナ、後者がバレンシアを率いた時にスペインのプリメーラ・ディビシオンで4度対戦し、ともに2勝2敗と五分の成績を残した。2002-03シーズンは双方がホームゲームを1-0と制し、翌年の最初の対戦はバレンシアがアウェーでオサスナを1-0と下した。しかし、オサスナも現在リバプールでコーチを務めるマウリシオ・ペジェグリーノのオウンゴールにより、敵地メスタージャで1-0と勝利を収め、雪辱を果たした。

コメント