UEFAチャンピオンズリーグで2連勝同士の対戦は、クラブ・アトレティコ・マドリーがシモンの終盤のゴールで引き分けに持ち込み、リバプールFCを得失点差で抑えてグループDの首位を守った。
完璧なスタート
互いに2連勝で迎えた首位決戦は、アウェーのリバプールが、ロビー・キーンの今季2点目で先制し、序盤から主導権を握った。6度目の欧州制覇を目指すリバプールが、その1点を守りきって勝利するかに思われたが、諦めないアトレティコは残り7分、シモンがゴール下隅に決めて同点に追いついた。
若い力
週末のレアル・マドリーCF戦(1‐2で敗北)からメンバーを代えると示唆していたアトレティコのハビエル・アギーレ監督は、その言葉通りに先発を変更してきた。セルヒオ・アグエロをベンチに温存し、MFイグナシオ・カマチョとCBアルバロ・ドミンゲスをUEFAチャンピオンズリーグの舞台にデビューさせた。期待を寄せられたこの若手2人には、序盤は硬さが見られ、開始早々からリバプールが送り込んでくるゴール前へのハイボールに苦しんだ。しかし、開始6分にお粗末な守備を露呈したのは、経験豊富なルイス・ガルシアだった。右サイドでアンドレア・ドッセーナに抜かれてクロスを上げられるも、ここは中央の選手に合わず、難を逃れた。
キーンが先制
リバプールにペースを握られ始めたアトレティコは、シモンのFKからカマチョが狙うもゴールには至らない。そして先制ゴールを奪ったのは、序盤からゲームを支配したリバプールだった。14分、スティーブン・ジェラードのスルーパスがアトレティコのDFラインを引き裂くと、抜け出したキーンが流し込んで自身のリバプールでの2点目となるゴールを決めた。その後は両チームとも、チャンスは遠目からのシュートに限られた。アトレティコのユールカス・セイタリディスのシュートはバーの上に飛び、リバプールのアルベルト・リエラとシャビ・アロンソもロングシュートを放った。前半の終盤に差し掛かると、アトレティコの若手の1人、カマチョが存在感を発揮する。左サイドからディエゴ・フォルランにパスを送るも、フォルランはシュートを枠内に飛ばせなかった。
シモンに好機
アトレティコはこの状況を打開すべく、ハーフタイムにアグエロを投入。しかし、アルゼンチンの新星が試合のスピードに順応できずにいると、後半最初にチャンスを掴んだのはリバプールのヨッシ・ベナユン。彼のシュートはゴールネットを揺らしたが、これはオフサイドの判定。一方、逆サイドのゴールでは、セイタリディスのゴールがオフサイドで認められず。さらに、アトレティコは次の攻撃で絶好機を作りだすが、シモンのシュートはダイビングしたGKペペ・レイナの手をかすめ、ポストに弾かれた。対するリバプールもシャビ・アロンソが狙うが、GKレオ・フランコに止められる。その後もホームのアトレティコは諦めずに前へ出続け、セイタリディスがゴール前にFKを放り込むが、ジェイミー・キャラガーの頭に阻止された。
終盤の同点ゴール
このままリバプールが1点を守りきるかに思われた終盤、キャラガーがロングボールの対応を見誤ると、フォルランにボールを拾われ、シモンにボールが渡る。これをシモンが確実に決めて、アトレティコが同点に追いついた。さらに逆転ゴールを狙うアトレティコは、ミゲルがシュートを狙うもGKレイナのセーブに遭う。対するリバプールもライアン・バベルがダイビングヘッドで応戦するなど、見応えのある一戦は、最後までどちらが勝ってもおかしくない展開となったが、これ以上のゴールは生まれなかった。
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