クラブに絶望している?フェルナンド・トーレスの将来は・・・

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日曜のマジョルカ戦、前半15分にアトレティコ・マドリーのフェルナンド・トーレスが決めたのは、ようやくこれで今季9点目となるゴールだった。ちょっとリーガのピチチ(得点王)ランキングに目をやってみれば、トップがカヌーテ(セビリア)の19点。スペイン人選手に限っても、モリエンテスとビジャ(どちらもバレンシア)が12本と11本、その上、彼らはチャンピオンズリーグや国王杯でも、たくさんゴールを挙げている。となると、国王杯を加えてもたった10点というフェルナンド・トーレスの得点数は、やっぱりどこか物足りなく感じられないだろうか。

何より彼の場合で気になるのは、3月20日に23歳の誕生日を迎え、いよいよ選手として昇り坂を迎える年齢だというのに、03‐04シーズンに自身最高の19ゴールを記録して以来、16点、13点とだんだんゴール数が減ってきていること。このペースだと、今シーズンも期待できるのは、せいぜい昨季と並ぶぐらい。それでもアトレティコ・マドリーでエースと呼ばれるのは彼だけだ。調子が良かろうが悪かろうが、その地位が揺るぐことはない。

だが、他チームからの精鋭が招集されたスペイン代表では、やはり勝手が違う。2006年W杯ではスタメンを務めたものの、昨年の対ルーマニアの親善試合には招集されなかったし、今年の2月に行われたイングランドとの親善試合では、ゴールを量産し続けるバレンシアのFWコンビに先発を奪われている。今回のユーロ2008予選のデンマーク、アイスランド戦でもそれは同じで、ルイス・アラゴネス代表監督からは、「幾つかの点で、伸びが止まっている可能性はある」などという言葉も聞かれた。

おそらくそのせいもあるのだろう。ちょうど代表合宿中に流れたのは、「フェルナンド・トーレスはアトレティコ・マドリーに所属していることを絶望している。サッカー選手として成長するためには、この夏にクラブを出るしかないと、ルイス・アラゴネス監督に打ち明けた」という噂だった。何せアラゴネス監督は、アトレティコ・マドリーを指揮していた時代に、まだ17歳だった彼を信頼して使ってくれた恩師。となれば、フェルナンド・トーレスが心の内を打ち明けてもおかしくはない。そんな風にすっかり信じ込んでしまった世間だが、これは怒った監督が「フェルナンド・トーレスとはサッカーや代表チームの話はしたが、アトレティコ・マドリーのことなんか話していない」と前面否定している。

一方、フェルナンド・トーレスの方も、マジョルカ戦前日の記者会見で「自分はずっとアトレティコ・マドリーにいたい。もう同じことを何度も言っていて、ファンもここがボクの家だとわかっているはず」と、移籍する気がないことを断言。本人の成長が止まっているという意見に関しても、「選手が伸びるか伸びないかは、チームの状態にもよる。確かにここ数年、物事は思ったように進んでないけど、幸いボクはまだ23歳。絶対、アトレティコ・マドリーは大きくなっていくし、それと一緒に自分も成長していくはず」と、あくまで楽観的だった。

もちろんそんな彼の言葉は、サポーター達を安心させてくれたが、結局マジョルカ戦は、後半早々、アランゴのゴールで追いつかれて、1‐1の引き分けで終了。これも「ハーフタイムの後、チームがリラックスしてしまった。またも集中力が欠けていた(ハビエル・アギーレ監督)」というチームの悪い癖が出た結果だ。

いよいよリーガも残り少なくなってきたというのに、せっかくリードしていたホームゲームでも勝ち点を失っていては、目標のUEFA杯出場権を獲得できるかも危うい。いくら若いといっても、フェルナンド・トーレスだって5年も10年も待てる訳ではない。チームメイトがいつになっても同じミスを繰り返してばかりでは、そのうち彼が本当に愛想を尽かしてしまうのではないかと、かなり心配になってしまうのだが…。

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