アトレティコ、お粗末なR・マドリーに引き分けを許す

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アトレティコ・マドリーはマドリー・ダービーで圧倒的優位に試合を進めながら、レアル・マドリーに勝ち点1を与えてしまった。フェルナンド・トーレスがR・マドリー相手に初ゴールを決めて先制したものの、その後アトレティコは有効なゴールをオフサイドで取り消され、後半にはカッサーノのパスからイグアインが同点ゴールを決めている。この引き分けでアトレティコは再び永遠のライバルを倒す大きなチャンスを逃してしまったといえる。

 アトレティコはこれが決勝戦とばかりに気合十分で試合に臨んだ。試合開始からR・マドリーを圧倒すると、カウンターからガジェッティがクロス。それをアトレティコのキャプテン、フェルナンド・トーレスが冷静に押し込み先制する。ついに“エル・ニーニョ”がR・マドリーからゴールを奪った瞬間だった。

 その3分後、アトレティコは勝負に決める決定的チャンスがやってくる。フリーキックから始まったプレーでペレアがゴール。しかしこれは存在しないオフサイドの判定により、不当に取り消された。この審判のプレゼントにより、R・マドリーは命拾い。それまでのR・マドリーといえば、前半20分まで実にシュート0というお粗末な内容だった。

 そのR・マドリーが初めてシュートを打ったのが26分である。しかしその直後のコーナーキックで、R・マドリーの選手たちはいかに集中力に欠けているかを明らかにしてしまった。カンナバロとエルゲラはGKよりもゴールに近い位置でクロスを待っていたにも関わらず、いざボールが来るとオフサイドだと勘違いして何もしなかったのである。

 一方のアトレティコは徐々に勢いこそ衰えていくものの、決して試合の主導権は渡さなかった。ガジェッティのシュートはカシージャスのファインセーブに阻まれる一方、R・マドリーもガゴの個人技からカンナバロがシュート。しかしやはりカンナバロは前線の選手ではなかった。

 後半に入って再び気合を入れなおしたアトレティコだったが、少なくともR・マドリーもボールに触れるようになり、特にイグアインと久々の試合出場となったカッサーノの2トップがいい動きを見せる。そしてガゴをベンチに下げ、ディアラを入れたR・マドリーは、まったく予想外の瞬間に同点ゴールを生んだ。

 カッサーノのキラーパスからDFのマークを外したイグアインのシュート。ビセンテ・カルデロンに集まった観衆は自分の目を信じることが出来なかった。これほどお粗末なチームに、そして先日まで戦力外だった選手と、デビューから初ゴールに1ヵ月半以上かかったFWにゴールを決められたのである。

 こうなるとアトレティコは後ろに下がり、R・マドリーがボールを触る機会が増えるが、チャンスらしいチャンスはなかった。そしてR・マドリーは前線よりも後ろを固めるべくマルセロを投入。一方のアトレティコはガジェッティに代えてミスタを入れ、何とか攻撃に変化をつけようと試みた。

 終盤の83分、この日2枚目となるイエローカードでカンナバロが退場し、R・マドリーは10人でのプレーを余儀なくされる。アトレティコはこのチャンスに、最後まで勝利を目指して戦ったが、アグエロの強烈なシュートもカシージャスに阻まれる。そして引き分けのまま試合終了。R・マドリーは試合内容を考えると値千金ともいえる勝ち点1を獲得し、さらなる悲劇を避けることが出来た。

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