セビージャが見せつけた実力差

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スペインリーグ第23節、セビージャ対アトレティコ・マドリー戦が18日、セビージャのホームで行われ、2位のセビージャが5位のアトレティコを3-1と圧倒した。

 試合開始から主導権を握ったのはセビージャだった。セビージャはパスを受ける選手、パスコースを作る選手、パスを出した選手が精力的に動くことによってアトレティコ守備網を引き裂いた。それによって生まれたスペースを生かし、各選手が果敢にドリブルでの勝負を仕掛けていった。
 アトレティコは守備的MFを3人に増やして臨んだが、中盤の人数を増やしただけではセビージャのすさまじい攻撃を阻止することはできなかった。
 前半13分には、オフサイドぎりぎりで最終ラインの裏へと飛び出したカヌーテが先制点をたたき込んで、セビージャが早くも先制。21分には右サイドのナバスからの折り返しを受けたサイドバックのアルベスがゴール左隅に決めてリードを2点に広げた。

 後半に入り、巻き返しを図るアトレティコはMFフラドを左サイドに、ガジェッティを右サイドに投入した。前半36分にセビージャのマルティが退場したことも手伝って、アトレティコはアグエロ、トーレスがいい形でゴールに向かう場面を作ったが、セビージャはすぐにバランスを立て直してアトレティコの反撃の芽を摘み取った。
 後半27分には、左CKからカヌーテがこの日2点目となるゴールを押し込んで、試合を決定付けた。

 アトレティコは前線のアグエロが敵を背負いながらもボールをしっかりと受けるとともに、低い重心を生かした深くて鋭い切り返しで一人奮闘したが、サポートする周囲の動きが皆無で、後半37分にPKを獲得するのが精いっぱいだった。

 試合後、アトレティコのアギーレ監督は「セビージャとわれわれの間には大きな差がある。すべての局面でセビージャは私たちを上回っていた」と完敗を認めた。また、後半途中から出場したアトレティコのMFガビは「ベンチから見ていた時から僕らが苦しい状況にあるのは明らかだった。ピッチに入るとそれをより顕著に感じた。セビージャは皆が連動している。でも、僕らはボールを持った選手が難しい状況を迎えてしまうようにプレーしてしまっている。個人的にはセビージャの選手に負けていないのに、あんなに圧倒されてしまうのは、チームとしてのプレーの仕方に問題があると思う」と語った。

 ガビが言うように、セビージャの選手とアトレティコの選手が1対1で相対する時、両者に大きな差はなく、むしろ高い身体能力を有するアトレティコの選手が有利な状況になることの方が多かった。だが、不利な状況になったセビージャの選手には、必ずと言っていいほど周囲からのサポートが行われ、アトレティコの選手が一転して不利な体勢に追い込まれるのだった。
 勝ち点ではさほどの差はないものの、両チームの実力には大きな開きがあった。その差こそが、今後のリーガ戦線において上位で戦い続けるチームと、ズルズルと後退していくチームとをハッキリと分けることになるのではないだろうか。

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