アトレティコ・マドリーのドクターのフェアプレー

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 3日に行われたバレンシアとアトレティコ・マドリーとの試合において、いつもとは違った形でのフェアプレーがあった。
 前半44分に右サイドのクロスボールの処理に入ったバレンシアのGKカニサレスとアルビオルが交錯し、ピッチに倒れこんだ。審判がすぐに試合を止めてバレンシアのドクターが応対のために駆け付けたが、2人が共に倒れこんだためドクターの数が足りなかった。それを見て直ちに駆け付けたのがアトレティコ・マドリーのドクター。審判やバレンシア側からの要請はなかったものの、即座の判断で倒れこんだ選手に駆け寄り状態を見た。

 結局、2人は大事には至らずにすぐにプレーに復帰したものの、交錯のシーンからは意識を失っている可能性も考えられた。通常、ドクターは相手チームの選手が倒れこんだ場合でも何らかの要請がない限り出動することはないが、この場面では敵味方の区別なく、倒れた選手の状態を最優先して賢明な判断が下された。
 このフェアプレーに対し、メスタージャスタジアムのバレンシアファンからはアトレティコ・マドリーのドクターに対して温かい拍手が送られた。ベンチに引き返す際にもスタンドからの拍手は鳴り止まず、バレンシアのエミリオGKコーチもベンチ前で御礼の握手を求めていた。アトレティコ・マドリーのドクターの、敵・味方の区別なくサッカー選手の生命を守るという、プロフェッショナル精神が垣間見えた素晴らしい行動だった。

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