最下位ヒムナスティック相手にノーゴール

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6日に行われたリーガエスパニョーラ第17節、4位のアトレティコ・マドリーはホームにヒムナスティックを迎え撃った。年明け最初の試合とあってスタジアムは多くのアトレティコ・サポーターで埋まったが、彼らを魅了するようなプレーを披露できず、0-0の引き分けに終わった。

 アトレティコは最終ライン、中盤、そして前線との間がそれぞれ大きく広がってしまい、連係してボールを前へと運んでいくことができなかった。リーガ最下位に沈むヒムナスティック守備網は決して堅固なわけではなかったが、味方同士の距離が大きく開いていることでボールを持ったアトレティコの選手は孤立し、不用意なミスを連発することになってしまった。
 しかし、対するヒムナスティックもまた、ボールを持った選手のプレーが雑で、サポートする選手の動きも悪く、効果的にボールを回すことができなかった。ピッチ上ではアトレティコとヒムナスティックがひたすらボールを奪い合うだけで、ゴールの予感のない試合が展開されて前半が終了した。

 後半に入っても、両チームの動きには前半との違いは見られじ、相変わらずボールを動かすのではなく、追いかけるという展開が続いた。しかしその展開は、時間が経過するにつれて各国代表クラスの選手をそろえたアトレティコに有利に働くこととなった。
 体力的に優位に立つアトレティコは、肉弾戦の末に奪ったボールをフェルナンド・トーレス、クン・アグエロらへと送って、ヒムナスティック最終ラインをたびたび突破する場面を作るようになった。特に後半5分にコーナーキックのこぼれ球を拾ったアグエロが自陣から一気に相手ゴール前まで攻め上がったシーンと、後半33分に同じくアグエロがドリブルで相手ペナルティーエリ内へと切れ込んだシーンは、この試合を通じて最もゴールの可能性を感じさせる場面だった。
 しかし、この2度のチャンスでもヒムナスティックのゴールネットは揺れず、試合は0-0のまま終了した。

 試合後、ヒムナスティックのパコ・フローレス監督は「チームは良い仕事をした。アグエロの個人技によって迎えた2度の決定的なピンチ以外は、危ない場面を作らなかった。勝ち点3を得ることができたらよかったが、十分に価値のある勝ち点1だと思う」と語った。
 一方、アトレティコのアギーレ監督は「やはり自分たちがホームで戦う時には、相手チームの方がプレーしやすそうだ。それは彼らが守備に専念できることと、それを早い時間に崩せないとサポーターが怒り始めるからだ。その結果、ホームでよりプレッシャーを受けて神経質になるのはわれわれで、逆に相手チームはシンプルな目標のもとに一つにまとまることができる。サッカーの試合をやる上で、快適な状態は、間違いなく相手チームが感じている状態のことを言う。どうにかしてこの悪い状態を脱しなければならない。この課題さえクリアできれば、目標の欧州カップ戦出場権獲得は絶対に達成できる。なぜなら、われわれはアウエーで良い成績を残しているのだから」とホームで良い成績を残せていないの苦しみを語った。

 来季チャンピオンズリーグ出場圏内の4位で2007年を迎えたアトレティコだが、その順位に値するだけのプレーをホームですることができず、5位に転落した。アギーレ監督の言うとおり、ホームのサポーターを満足させられるようなプレーをすることができさえすれば、彼らが欧州カップ戦の常連になることは間違いない。豪華な陣容の力を引き出す戦術をアギーレ監督は見いだし、授けることができるだろうか。

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