アグエロの副業は歌手?休暇中にコンサートに出演

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16節が終わって休止期間に入ったリーガだが、この時期はほとんどのクラブがクリスマス休暇中。アトレティコ・マドリーも、12月22日の金曜に故ヘスス・ヒル元会長追悼親善試合でR・マドリーと対戦したのをラストに、年明け2日まで練習を休む。よってその間、バケーションを母国で過ごす外国人選手が多いのは当たり前だが、1000人以上集めたコンサートで歌っていた選手となると、ちょっと珍しいかもしれない。

それは誰かと言えば、今季からチームに加入したアルゼンチン人のアグエロだ。彼はアトレティコ・マドリーに来る直前の夏に、仲の良いクンビア(アルゼンチンのポップミュージックの一種)のバンド、“ロス・レアレス”のレコーディングに参加。確かその曲の歌詞は、「ボクはアグエロ、ボクの血にはサッカーが流れている、さあ行こう、クン(アグエロの愛称)」といった感じの他愛のないものだったが、実は今これが大いに売れていて、すでに2万枚を突破したという。そこでブエノス・アイレスに着くやいなや、まずはそのバンドとTV出演してゴールデンディスク賞を受け取ることになった。

もちろんそちらの番組でも、四角いマラカスのような楽器を振って、一緒に演奏に加わっていたアグエロだが、クライマックがやって来たのはその日の夜。ロス・レアレスのコンサートに向かった彼は、バンドリーダーに「もし気が向いたら」と誘われて、大型シアターに集った満員の聴衆を前にステージで熱唱。場内には「クン、大好き!」と書かれたプラカードや、アトレティコや移籍前に彼が所属したインデペンディエンテのユニを着たファンが大勢いたというから、コンサートのお目当てが誰だったかは一目瞭然だ。

そして、「音楽は自分の趣味。もしサッカー選手になっていなかったら、歌手になっていたかもしれない」とまで言うアグエロのクンビア熱は、アトレティコ・マドリーのロッカールームにも感染している。練習の前後に着替えている最中にCDをかけまくったおかげで、とうとうみんな歌詞まで憶えてしまったというから、刷り込みとは恐ろしい。おまけに彼がそのCDをチームメイトにプレゼントしたところ、これが大好評。中でもフェルナンド・トーレスなど、かなり気に入ってくれたようだったとか。

ちなみに、そんな現象はマハダオンダ(マドリー郊外)にある練習場でだけでのことかと思いきや、それがとんでもない誤りだったのが発覚したのは11月中旬のこと。アトレティコ・マドリーが、本人のゴールも含めてビジャレアルに3‐1と快勝した日には、・スタジアムのロッカールームから大音響のミュージックが!慣れているのか、記者会見中だったハビエル・アギーレ監督は平然としていたが、取材陣がメモを取るのに苦労したのは言うまでもない。

幸い(?)今季のアトレティコ・マドリーはホーム戦でここまで4勝3敗1分け、あまり成績が良くないばかりか、ほとんどが敵に先行されるという苦しい試合が多かったので、そんな機会もまだ1度だけ。とはいえアグエロも、12月には国王杯レバンテ戦2ndレグで、勝ち越しゴールとPK合戦のゴールをゲットし、次ラウンド進出を決めるヒーローとなったり、年内最終戦のバルセロナ戦でも殊勲の同点ゴールを挙げたりと、期待された活躍をピッチで見せるようになってきた。チームは現在チャンピオンズリーグ圏内の4位でもあることだし、この調子が来年も続けば、彼らが勝利をクンビアのリズムで祝う機会もきっと多くなるに違いない。

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