宿命のマドリー・ダービー

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レアル・マドリーがホームで、アトレティコ・マドリーと139回目のマドリー・ダービーを迎える。1日の対戦に向けて、両チームはともに調子を上げている。

最近の結果を見る限り、1日の対戦は期待に違わぬものとなるだろう。ファビオ・カペッロ監督が率いるマドリーは、26日のUEFAチャンピオンズリーグでディナモ・キエフに圧勝して、上昇気流に乗っている。一方のアトレティコは、先週末のリーグ戦でセビージャを下し、自信をつけている。マドリード市民にとって、伝統のダービーマッチは特別なイベントだ。今回は両者がともに絶好調の状態で、試合に臨むこととなる。

両チームの楽観的なムードは新戦力の充実によるところが大きい。レアル・マドリーは、今夏にアーセナルから獲得した左利きのホセ・アントニオ・レジェスが、デイビッド・ベッカムを押しのけて、自身にとって新しいポジションである右ウイングに定着したようだ。またアトレティコも、セルヒオ・“クン”・アグエロの加入で生まれ変わった。フェルナンド・トーレスにこれまで欠けていた、攻撃のパートナーができたのは大きい。トーレスは公式戦で、マドリーからゴールを奪ったことがない。しかし、アグエロがいることで自分へのプレッシャーが随分減った、とコメントを残している。

1日の試合で活躍する機会を逃した選手もいる。マドリーでは、負傷した右SBの2人、ミチェル・サルガドとシシーニョが欠場する見込みとなっている。アトレティコでは、・デ・ラス・クエバスと、ガビが出場できない。ガビは週末の交通事故で、鎖骨を骨折したためだ。

アトレティコは来季の欧州カップ戦の出場権を獲得するという目標を達成するために、この試合に勝って志気を高めたいと考えていることだろう。しかしハビエル・アギーレ監督は、ベルナベウで過去7年間も勝っていないことを十分に承知している。同監督はこう語った。「いつもと同じように平常心でこの試合に臨む。マドリーを倒すには、完璧なゲームをしないといけない。そして少しばかりの運も必要だろう。集中力を切らさず、つまらないミスをしないことが大切だ。両チームとも上り調子だが、どちらのチームが有利かなどと考えたりはしない」

カペッロ監督にとって、前回のマドリー・ダービーは素晴らしいものだった。1996-97シーズンにマドリーを率いていた同監督は、最後から2節目に3-1でダービーマッチを制した。そして、この勝利でマドリーは、リーグ優勝を決めたのだ。同監督はその思い出をこのように振り返った。「あれは大きな勝利だった。しかし、もう過去のことだ。毎年、毎試合、チームというのは変化している。今のアトレティコは素晴らしいチームだ。アウエーでは特に危険な存在だろう。カウンターアタックをおおいに警戒する必要がある。とりわけサイドの選手はスピード豊かで能力が高い。ダービーマッチは普通の試合ではない。今回の対戦も、双方のチームにとって厳しいものとなるだろう」

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