好調アトレティコがレアルホームに乗り込む

4日、スペインの首都マドリーを本拠地とするレアル・マドリーとアトレティコ・マドリーによる「マドリーダービー」が行われる。激しいライバル関係にある両チームの激突は、今節最大の注目カードだ。

　同じ首都をホームタウンとするチームでありながら、常にレアルの後塵（こうじん）を拝してきたアトレティコ。昨季のダービー1戦目は、アトレティコが運動量、モチベーションともにレアルを圧倒し、試合を完全に制していたにもかかわらず、ロナウドの3本のシュートで3ゴールを奪われて敗戦を喫した。この試合に象徴されるように、アトレティコにとってのレアルとは天敵以外の何者でもない。

　だが、ペレス元会長が辞任して慌しい状況にあるレアルとは対照的に、6連勝中と勢いに乗るアトレティコにとっては、宿敵をたたく千載一遇のチャンスが訪れた。身体能力の高さを生かして相手の長所をつぶす守備と、ゴールへと突進するような直線的な攻撃を持つアトレティコが、中盤でのパス回しでリズムを作るレアルを凌駕（りょうが）する可能性は十分にある。
　加えて、昨季アトレティコに悪夢をもたらしたロナウドは、不要論が噴出している中、調整不足を理由にこの試合のメンバーから外れている。

　アトレティコはこの機を生かして、これまで両チームの間にあった「壁」を飛び越えることができるだろうか。それとも、敗れてレアルに対するコンプレックスをさらに大きなものとしてしまうのか。この一戦は、アトレティコにとっては新たな一歩を踏み出すためのものであり、レアルにとっては優勝戦線に踏みとどまるための重要な一戦となる。