ケズマン「ビアンチの解任はチームにとって良かった、今はチャンピオンズ・リーグを狙う」

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「全てはメンタルと自信の問題だった。サッカーではそれが最も重要だ」カルロス・ビアンチが解任され、新監督にペペ・ムルシアを迎えたアトレティコ・マドリー。そこで活躍するケズマンがインタビューに応じてくれた。「チャンピオンズ・リーグ?もちろんさ。後半戦全てを全力で駆け抜けなければいけない。だけど、このままの調子を持続できれば方向を変える必要は何もないはずだ。」

–非常に困難な時期が続いたけど、今はポジティブな結果が出ているようだね。前半戦の戦いを振り返ってどう思う? —
「シーズン開始当初から大きな目標を掲げていた。なぜなら最高級レベルの選手が加入し、とても評判の高い監督もやってきたからだ。プレシーズンマッチではほぼ全試合に勝利を収め期待は高まるばかりだった。だがすべり出しに失敗し、その後も結果が出ない時期が続いた。」

–クラブはビアンチの解任という最終手段を講じた。ペペ・ムルシアが監督に就任した今は調子が上がったみたいだけど何があったんだい? —
「チームの雰囲気が変わり自信も回復した。僕たちは偉大なチームだ。それに関して疑いはないよ。チーム内には7~8人の代表選手がいるし経験豊かな選手も多い。4連勝を飾ったことでチームの士気が一気に上がった。」

–現在のチームの目標は? —
「最低でも UEFA カップの出場権は欲しいね。チャンピオンズ・リーグ出場圏内にも入れると思うよ。リーガの戦いは非常に厳しいし全てのチームがハイレベルだ。だけど、後半戦をこのままの調子で戦い続ければチャンスは訪れると思う。ヘタフェ戦、ラシン戦とこれからチームは重要な3試合を迎える。この勢いのまま勝利を重ねれば UEFA ゾーンに入れる。高い集中力をいかに保つかが問題だ。それはビアンチ時代の終盤に失くしていたものだ。」

–いろんな人がチームに何があったのか質問しているだろうけど、君はどのように考えている? —
「ビアンチは欧州のサッカーに対応できなかったんだと思う。こことアルゼンチンのサッカーは全く違うからね。最終的には僕たち選手が自信を失い、負けが重なってチーム内の雰囲気は最悪になった。その状況から抜け出すのはとても難しかった。」

–とにかく、ペペ・ムルシアが監督になって何が変わった? —
「ほぼ無名に近い若い監督だが、アトレティコ・マドリーとはどういうチームなのか完璧に理解している。クラブや街の人々のことをよく知っているんだ。今はやや問題のあった戦術面での練習を多く積んでいる。チームは改善され結果も出るようになった。チームが自信を持つ事は必要不可欠なんだ。それがメンタルに変化を与えた秘訣だ。」

–マテヤ・ケズマンについて少し話をしよう。これほどのキャリアを積んだことに関してはどのように思う? PSV からチェルシー、チェルシーからアトレティコとあっという間の出来事だった。子供の頃からの夢が叶った? —
「幼少の頃にサッカーを始めた。その当時は全てが夢だったよ。ハイレベルなクラブでプレーする姿を想像していたけど、ものすごく難しいと分かっていた。1パーセントの子供だけがそのチャンスに巡り合える事ができ、そのチャンスが訪れたら活かさなくちゃいけない。僕はそのチャンスを掴む事ができた。地方の小さいクラブからパルチザンに移籍し、その後のキャリアは君が言った通りだ。すごく満足しているのは当然だ。僕はまだ26歳と若く、まだまだキャリアはこれからだよ。」

–君にとってサッカーとは?プロスポーツ、もしくはそれ以上のもの? —
「僕の人生だ。いろんな所を旅行できるし、世界中の人や多くの文化を知る事ができる。また、多くの言葉も学べる。だけど、それ以上にサッカーは多くの可能性を広げてくれるんだ。僕は自分の知名度を活かして祖国の恵まれない子供達のために財団を設立した。とても満足している。ボールが人生の全てではないが、そのおかげで実現できることも多い。」

–他にサッカーが教えてくれた事は? —
「戦うことを学んだ。僕は16歳で故郷を離れた。その頃から成長しなければいけないという環境の中で育った。人生や可能性のために戦うというのは何なのか発見できたし、サッカーのような競争の激しい世界では誰もチャンスをプレゼントしてくれないと気付いた。常に自分の力を信用しなければいけない。重要なのは優れた人間性を持っていることだよ。」

–ピッチ外では? —
「家族や妻と一緒にいる時間が多い。4歳の男の子と2歳になる女の子の2人の子供がいるんだ。時間が少しでもあれば子供達と一緒に過ごしている。友人たちとビールを飲みに行くのも好きだよ。だけど、一番大切なのは家族と一緒にいることだ。」

–音楽、それとも映画? —
「ヒップホップがすごく好きなんだ。それにセルビア人の特徴を歌った母国の歌も好きだよ。僕はクストリッツァ監督のファンなんだ。彼は世界を知り尽くしていて、彼の作品はセルビアに起こっていることをそのまま映し出している。」

ありがとう、マテヤ。

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