レアル相手に孤軍奮闘したペトロフ

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ホームに宿敵レアル・マドリーを迎えたアトレティコは0対3で屈辱の大敗を喫した。試合が動いたのは開始早々だった。アトレティコ陣内に侵入したレアルは、バプティスタ、ラウル、ジダン、ラウル、、ラウルと流れるパスワークでアトレティコ守備網を突破すると、ペナルティエリア内でラウルがアントニオ・ロペスに倒された。これでPKを得たレアルは、ロナウドが確実に決めて先制。この判定に異議を唱えたアントニオ・ロペスは退場となり、前半の序盤にアトレティコは10人になってしまった。

 先制点とアントニオ・ロペスの退場で余裕を得たレアルは、各選手がボールをはたいては動き、またボールを受けるというシンプルなプレーを実行してリズム良くボールを回した。それに対してアトレティコは、ボールを追い続けるのみで、攻撃に出るきっかけすらつかめなかった。
 しかし、そんな流れの中でレアル守備陣を震え上がらせた選手がいた。アトレティコの左サイドハーフ、ペトロフである。ペトロフは本来ならば自分をサポートするはずのアントニオ・ロペスが退場となってしまったため、レアルがボールを持つ時は左サイドバックの位置に入って守備を行い、ボールを奪うと攻めにいくという動きを強いられた。劣勢のアトレティコの中にあって、守備をするだけでも精一杯かと思われたペトロフだったが、彼がボールを持ち前線へと飛び出していく鋭さは、そんな予想を打ち破るものだった。右サイドバックのサルガドは、ペトロフのドリブルに対してバックステップで後ずさりするしかなく、優れた身体能力を持つセルヒオ・ラモスも、スピードとパワーの両方で競り負けるという場面が相次いだ。
 ペトロフのドリブルは速く、細かいステップから突如として大きなステップへと踏みかえるダイナミックな動きによって、レアルの右サイドは幾度となく引き裂かれた。しかし、サイド深くから上げられたクロスは精度、スピードともに高いものだったが、最後の最後でエルゲラにクリアされた。
 このペトロフの獅子奮迅の活躍は後半に入っても続き、試合終盤にもかかわらず、自陣から一気にドリブルで相手ペナルティエリアまで突き進んだ。そのスタミナと闘志は、試合内容に落胆したアトレティコサポーターを唯一元気づけた。

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