アトレティコ・マドリーの練習場で見かけた笑顔

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代表週間のためフェルナンド・トーレスをはじめ今季加入したペトロフ、ケズマンといったクラックが不在だったアトレティコ・マドリーの練習場。とはいえ2人の小さなクラックがセロ・デル・エスピーノに集まった人々の視線を独り占めにした。

前日ポルトガルで行われたイベリアカップ、フェルナンド・トーレスが2ゴールをあげる活躍を見せ、1対3とスポルティング・リスボンに完勝とプレシーズン最高のプレーを見せたアトレティコ・マドリーだが、15日午後6時を回っても沈む気配を一向に見せずさんさんと輝く太陽、気温30度を軽く越えるマドリーの夏の暑さには勝てないようで、ジムでのトレーニング、グラウンドでのランニング、ストレッチなどこれまで選手たちが”正直キツイ。”とこぼす激しいトレーニングは影を潜め、軽めのセッションを行った。(前日の疲れを取ることと、体を追い込む時期が終わったことは確かだが。)

そのセッションの中、ポニーテールと長髪の可愛らしい金髪の2人の子が”パパー、パパー”とグラウンドで汗を流す選手に声をかける。その選手も普段の厳しい表情とは違う優しい顔でその声に答える。その横ではフィジカルコーチが手を抜いているのか、はたまたただ単に硬いだけなのか鋼のように硬く体の曲がらない若手ガビ、アリスメンディにアルゼンチン人独特のイントネーションで声を張り上げ、どこからか笑いがこぼれるなど昨シーズンあまり見ることができなかった暖かい雰囲気が包んでいた。

セッション終了後、その選手が子供達をグラウンドに呼ぶと回りに選手たちが集まり子供たちとじゃれ合う。GKクエージャルが「かわいい女の子だね。」と言うとその選手は「違うよ。2人とも男の子だよ。何なら見てみるか。」とその子のパンツをいきなり下ろし証拠を見せる。クエージャルは「なんだ、おかまちゃんなのか。」と笑って見せた。

だが、その発言はおばあちゃんにとって聞き捨てられなかったようで、すぐさま「おかまじゃないわよ。可愛いからしているだけなのよ。」と叫ぶとクエージャルは小さくなって練習場を後にした。その後も選手とその可愛い子供たちはグラウンドでボールを蹴りあい、じゃれあい、夕暮れ時のなんともいえない時間をセロ・デル・エスピーノに集まった我々に提供してくれた。

昨シーズンは結果を出すことができずにサポーターが乱入するなど決して良い雰囲気で終わったとは言えないアトレティコ・マドリー、だがその悪い流れはしっかりと断ち切れたようだ。活躍の期待できる新戦力と雰囲気を手に入れたコルチョネロ(アトレティコのニックネーム)の新シーズンの活躍を期待したい。

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