オサスナがアトレティコを退け決勝進出

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12日、アトレティコ・マドリーはホームにオサスナを迎えて国王杯準決勝第2戦を戦った。
 アトレティコは、リーガで11位と来季のUEFAカップ出場権獲得圏から大きく差を開けられ、すでにリーガを戦う意味を失くしてしまっている。アウエーで戦った第1戦では0-1で敗れているが、ホームでのこの試合に勝利して国王杯決勝に駒を進め、来季のUEFAカップ出場権獲得したいことろだった。

 スタジアムには今季の興味をここで絶やされてはたまらないと、気迫に溢れたサポーターが大勢詰め掛けた。ほぼ満員となったスタンドからは、すさまじい声援がアトレティコに送られた。
 そんな応援を背に、果敢にゴールに迫りたいアトレティコだったが、実際にピッチでアトレティコが見せた姿はサポーターを大いにいら立たせるものだった。
 攻撃の要である左サイドハーフのグロンケアをけがで欠くアトレティコは、3-6-1という普段とは全く違ったシステムで試合に臨んだ。しかし、この急造システムの下では、アトレティコの選手たちは明らかに戸惑いを示した。
 ボールを持った選手は周囲の動きが普段とは異なるためにパスコースを探すのに精一杯の状態。また、ボールを持たない選手もどのように動いて効果的なスペースを生み出したら良いのかわからないといった様子で、アトレティコの攻撃は全く成り立たない。さらに第1戦を勝利しているオサスナは、イエローカード覚悟の厳しいタックルでアトレティコの攻撃を破断させた。
 結局前半は両チームともにゴールに迫る場面は見られないままに終了する。

 後半に入ってもアトレティコの攻撃は機能しない。後半25分には3バックの1人であるガルシア・カルボに代えて右サイドハーフにアギレラを投入。右サイドハーフだったベラスコがサイドバックに入って4バックとして活路を見いだそうとする。しかし、この交代も前線と中盤が連動した動きをすることのないアトレティコ攻撃陣の中にあっては、何の意味も持たなかった。0-0のまま試合終了が近づくにつれて、スタンドからは悲痛な叫びが起こり、終了の笛とともにりんごや水入りのペットボトル、壊された椅子が投げ込まれた。さらにアトレティコ応援団席ではアトレティコサポーター同士が乱闘を起こすなど、騒然とした雰囲気が試合後のスタジアムには漂った。

 この敗戦で今季のアトレティコは「優勝」のかかった試合をする機会を失い、また来季のUEFAカップ出場権も逃すことがほぼ決まってしまった。
 以下は試合後のアトレティコ監督フェランドとオサスナ監督アギーレの談話。

フェランド「非常に難しい試合だった。オサスナも良いプレーをしたが、われわれに足りないものが多すぎた。サポーターが怒るのは理解できる。彼らは怒る権利を持っている。3バックで試合に臨んだのはできるだけ前線に多くの選手を置きたかったからだ。選手はよく挑戦したが結実しなかった」

アギーレ「われわれはホームとアウエーの180分間を実に良く集中して戦い抜いた。選手たちは国王杯優勝に向けて非常に貪欲になっている。アトレティコは3バックでプレーしたが、結果的に攻撃のリズムをつかさどるイバガサを孤立させてしまったね。6月11日の決勝戦ではすべてをピッチに投げ出して栄光をつかみに行く」

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