深刻な経済問題を抱えているアトレティコ・マドリー、現状のままでは来シーズンの一流選手獲得の資金が出せないフロントはその資金を外部、個人投資家に求める事を考えている。
ホームビセンテ・カルデロン売却も検討されているほど深刻な経済状況を抱えているアトレティコ・マドリー、クラブはヨーロッパの舞台に戻る目標を立てているものの、前述したようにクラブの金庫には一流選手を獲得する為のお金がない。ここでアトレティコは発想を逆転させ“内にお金がないのであれば外から集めればいい。個人投資家と手を組んで選手を獲得すれば良い”というサッカー界初となるアイデアを考え出した。
この考えは株券が選手に代わったと考えると分かりやすい。基本的な流れは以下のとおりである。初めに選手の移籍金額の最低50%をアトレティコが支払い、残りの金額を金融機関が立て替える。その後アトレティコは選手保有権を市場に出し、一般投資家に呼びかけ残りの移籍金を充填するという寸法だ。そして獲得した選手を移籍させる時は必ず獲得資金以上での譲渡が条件となっており、投資者には1ユーロも損をさせないというものだ。
つまり自分の投資で愛するクラブが強くなり、またその選手が活躍すれば数年後には自分の利益となって帰ってくる可能性があるというサッカー好きの投資家にはたまらないシステムをアトレティコは考えている。もちろん選手の怪我や評価が下がるなどで利益がでない可能性も高い。だが、少なくとも自分がクラブ強化の一端を担っているという自負を持つ事ができるこのシステム、軌道に乗ればチームは良い選手を経営に負担をかけずに補強でき、サポーターは一流選手の素晴らしいプレーを、愛するチームの勝利を見ることになるだろう。
アトレティコはこのシステムを来年の夏の移籍市場までには完全な形にし選手を獲得したいと考えている。ターゲットはアテネ五輪得点王のボカ・ジュニアーズのテベスだ。ヨーロッパの多くのクラブからオファーが来ているテベスだが、テベス自身は言葉の問題などからアトレティコを希望しているとのことなので、アトレティコがこのシステムを利用し移籍金を捻出できればフェルナンド・トーレスとの魅力的な2トップが来シーズン実現する。
まだまだ試行錯誤の段階とはいえ実現すればサッカー界のビジネスを大きく変える可能性のあるこの選手補強システム、どのように事が進むか大いに注目だ。
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