1a Divsion. Jornada 18

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0-3


Atlético de Madrid
Leo Franco;
Aguilera (Molinero, m.46) Pablo Ibáñez, Perea, Antonio López;
Ibagaza, Marcelo Sosa, Luccin (Nano, m.76), Gronkjaer;
Fernando Torres (Paunovic, m.68), Salva.

Real Madrid
Casillas;
Arbeloa, Helguera, Pavón, Roberto Carlos;
Figo (Celades, m.85), Beckham, Solari, Zidane (Owen, m.88);
Raúl, Ronaldo (Morientes, m.85).

Goles
0-1: m.14: Ronaldo
0-2: m.82: Solari
0-3: m.84: Ronaldo


Atlético de Madrid: Luccin (m.22), Antonio López (m.30), Pablo Ibáñez (m.41)
Real Madrid: Beckham (m.19), Figo (m.71)

Árbitro: Alfonso Pérez Burrull (Comité Cántabro)
Estadio: Vicente Calderón
Espectadores: 57.000


9日、スペイン中が注目する中アトレティコ・マドリーとレアル・マドリーによる「マドリーダービー」が行われた。アトレティコのホームスタジアムで行われたこの一戦は、戦前からの予想通りの激しい展開となった。

 試合前、超満員に膨れ上がったスタジアムからは「アトレティココール」がこだまし続ける。南ゴール裏の二階席からはアトレティコの紋章をあしらった巨大な横断幕が掲げられ、さらにその下には「Vuela Atleti (飛べ、アトレティコ)」と書かれた横断幕が同じように掲げられて、雰囲気を盛り上げた。そして、アトレティコイレブンがピッチに飛び出してきた瞬間、それまで響き続けていた「アトレティココール」は巨大な叫びのかたまりに変化し、スタジアムの空気をビリビリと震わせた。両チームのイレブンが各ポジションに散り、東南アジア沖で起きた巨大津波による犠牲者の方々へ黙祷が捧げられた後、試合は始まった。

 キックオフと同時にアトレティコの猛烈なプレッシングがレアルを襲う。アトレティコの激しいプレッシングを受けたレアルは、ワンタッチでボールをつなぐことを試みようとする。しかし、アトレティコはボールを受ける選手とパスコースを素早くつぶし、レアルにまったく自由を与えない。そして開始3分には、自陣でボールを持ったフィーゴをあっという間に取り囲んでボールを奪い、F・トーレスがシュートを放つ。これはレアルGKカシージャスの正面を突いたものの、スタジアムは期待通りの熱い動きを目の当たりにしたことで大歓声に包まれた。

 モチベーションが高いレベルで結実したアトレティコの全選手は、同じリズムで動き続け、コンパクトなフォーメーションを形成したまま、動きの勢いを増していく。スタジアムにはピリピリとした緊張感が漂い、球際の激しい攻防の度に緊張が絶叫に変化する。

 前半14分、それまでアトレティコの激しいプレスの前に思うようにプレーできていなかったレアルが反撃に出る。中盤からのロングボールで抜け出したR・カルロスが左サイドを突破し、グラウンダーのクロスを送る。マイナス気味に送られたこのボールに、アトレティコ守備陣は逆を突かれた。ボールはペナルティーエリア中央を通過し、右よりにいたロナウドの下へ。ロナウドはそれを右足でリラックスして捉え、アトレティコゴールに突き刺した。

 沈黙するスタジアム。しかし、アトレティコイレブンの闘争心は消えない。アトレティコイレブンは、ゴールを奪われる前以上の激しいプレスをレアルにかけてボールを奪うと、左サイドでのグロンケアのドリブル突破を中心にレアル陣内深くまで侵入していく。それによって高い位置に保たれたアトレティコ最終ラインは、ペレアとパブロの両センターバックを中心にレアルにカウンターのチャンスを全く与えない。完全に試合の主導権を握ったアトレティコの反撃が始まる。

 前半25分、イバガサのスルーパスを受けたF・トーレスがレアルペナルティーエリア内に突入する。
 27分、左サイドグロンケアの溜めから左サイドバックアントニオ・ロペスがオーバーラップ。鋭いクロスを送る。
 31分、左サイドを完全に突破したグロンケアがクロスを送るも、わずかにサルバに合わず。
 32分、レアルペナルティーエリア前で3人のDFを引き付けたイバガサが大きくて鋭いシュートフェイント。体を投げ出したDFたちの逆を突き、そのままループシュートを放つ。意表をつかれたカシージャスがあきらめたようにボールの行方を追ったが、ボールはわずかにバーの上。
 33分、ルクサンからのスルーパスを受けたF・トーレスがそのままシュートを放ったが、体を投げ出したレアルCBエルゲラに当たりゴールならず。
 34分、右サイドからのフリーキックでイバガサがピンポイントのクロスをサルバへと送る。ノーマークの状態でのサルバのヘッドはバーをかすめるように外れていく。
 35分、左サイドを突破したグロンケアのクロスもF・トーレスに合わず。
 36分、同じくグロンケアからのクロス。サルバとカシージャスが交錯するもカシージャスはボールを放さず。
 43分、イバガサからのループパスをF・トーレスが頭でサルバへとつなぎ、サルバがシュートするが、カシージャスの正面。こぼれたボールをF・トーレスがジャンピングボレーでシュートするもバーの上。 
 45分、サルバがレアルペナルティーエリア内左よりからシュートと見せかけてパスを送る。虚をつかれたカシージャス、フリーでシュートするF・トーレス。ゴールかと思われたが、レアルDFが寸でのところで体を張って守り抜く。さらにこぼれたボールをアギレラがたたいたが、これまたレアルDFが体を張って跳ね返す。

 怒とうの波状攻撃を行ったアトレティコだったが、あと一歩のところでゴールできないまま前半を終了した。だが、後半こそはゴールをという祈りを込めた大きな拍手がスタジアムからは湧き起こる。

 後半開始からアトレティコ監督フェランドは右サイドバックのアギレラに代えてモリネロを投入し、右サイドの更なる活性化を試みる。
 後半1分、そのモリネロからのクロスを受けたF・トーレスが胸トラップからシュートもバーの上。
 後半6分、左サイドでボールを持ったグロンケアがジリジリとドリブルで切れ込んだかと思うと、鋭い切り返しでDFをかわしシュートを放ったが、カシージャスが素早い反応で弾き出す。

 後半もアトレティコの運動量と、球際の激しさは衰えず、波状攻撃が続いていく。さらにボールがサイドラインを出るたびに、必死の形相で急いでボールを拾いに行くアトレティコイレブンの姿を目の当たりにしたスタジアムが全力で選手を後押しする。
 後半19分、アントニオ・ロペスの左コーナーキックからのクロスはF・トーレスにわずかに合わず。
 後半21分、レアルCBパボンのもたつきを襲ったサルバがボールを奪い、前方のF・トーレスへ。F・トーレスはドリブルでエルゲラを抜きにかかるが、わずかに伸びたドリブルをその後方のカシージャスに抑えられる。
 後半25分、F・トーレスがレアルペナルティーエリアのわずかに外から地を這うシュートを放つも、カシージャスが反応しコーナーキックへ逃れる。

 その後もアトレティコのレアル陣内への侵入は止まらない。後半33分には、ロナウドが左サイドでR・カルロスとともに守備をするといった場面も見られるようになり、完全に攻撃するアトレティコと守るレアルとに分かれたせめぎ合いが繰り広げられた。

 だが後半36分、攻撃をし続けたアトレティコではなく、守備をし続けたレアルがゴール奪う。久々にアトレティコ陣内でフリーキックを得たレアルは、素早いリスタートから混戦の中、ラウルがソラリにつなぐ。そのままドリブルで抜け出たソラリがアトレティコGKレオ・フランコをも抜き去り、無人のゴールへと流し込んだ。

 立ち尽くすアトレティコイレブン。静まり返るスタジアム。それまで声援を送り続けていた多くのサポーターが一斉に席を立ち、家路につき始める。スタジアムに張り詰めていた空気が一気に緩み、ダービーの終えんが告げられた。レアルは続く後半38分にもロナウドがゴールを決め、3-0として試合を決着させた。

 試合後、レアルのルシェンブルゴ監督は「アトレティコの非常に高いモチベーションの前にわれわれは苦しめられたが、カシージャスが良くやってくれた。そして、ロナウドが確実にゴールを決めたおかげで、われわれはこの試合をモノにすることができた」と語った。

 前後半通じて、アトレティコの放った枠内シュートは11本。それに対して、レアルは3本。しかし、スコアはレアルが3-0。試合を支配し、あれだけ攻めたアトレティコが0点で、3本のシュートで3ゴールを奪ってしまったレアル。試合後のスタジアム、そして記者会見場には、どこかだまされているような雰囲気が漂っていた。

 この試合に異常なほどのモチベーションで臨んだアトレティコだったが、その試合内容とは裏腹の残酷な結末を見ることとなってしまった。あの燃え盛るような闘志とともに戦っただけでも相当な精神的消耗があるはずだが、この無情な結果はその消耗にさらなる追い討ちをかけることになるのではなかろうか。アトレティコは次節、これもまた「マドリーダービー」となるヘタフェ戦を敵地に乗り込んで戦う。次戦までの1週間でアトレティコは精神的ダメージをどこまで回復することができるのだろうか。ダメージを残し過ぎたまま戦い、敗れることになれば、アトレティコはその後の戦いで深い泥沼にはまっていくように思えてならない。

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