過激派ファンがアトレティコの練習に乱入

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アトレティコ・マドリーの練習で信じられないことが起こった。過激派グループ“フレンテ・アトレティコ”のメンバー約20人が、セロ・デル・エスピーノ(練習場)で行われているアトレティコの練習に突如乱入したのである。事件は選手達が練習を切り上げクールダウンをしている時に起きた。

「くそったれフェルナンド、腐ったお前の街に荷物をまとめてさっさと帰れ!!」
「トーレス、もう練習は終わりか。だったらさっさと友達のビデオクリップの撮影にでも行きやがれ!!」
「お前等みんな、傭兵のように大金を得るためだけにサッカーしているんだろ!!」
「お前の人生をむちゃくちゃにしてやる」
「傭兵は売ってしまえ!」
「お前らは疫病神だ」
“フレンテ・デ・アトレティコ”のメンバーが次々と選手、監督に罵声を浴びせ始めた。

サポーターの満足する結果を残せていない選手達はその罵声を黙って聞き入れる以外術は無かった。数分後、腹にたまったものを全て出したのか、その集団は罵声を止め練習場から足を運び始め、結果の出ない時の恒例行事はこれで終わったかのように思われた。

だがその集団は突然フェンスの一部を壊し練習場へと進入をし始めた。しかも用意周到に数人は自分達の素性がわからないように目隠し帽で顔を隠しながらだ。ゆっくりと一歩ずつ選手達へと近づいていくその集団。現場は突如緊迫した雰囲気へと変わる。記者の一人が「おい、早く警察に連絡しろ。」と叫び、罵声が続けられていた時から彼らの口車に乗らないように記者陣に忠告していたアトレティコ・マドリーの広報部長は「撮影をするな。今すぐカメラ陣は撤収しろ。」とその語気を強めていく。そしてその集団は選手達と数メートルのところ、フェルナンド・トーレスト目の鼻のところまで近づくとまた自分達の正義を振りかざし始める。

「お前等はアトレティコのユニホームを着る資格が無い!!」
「俺達がどれだけ苦しんでいるのか、分かるか!!」
「稼いだ金は全てどぶに捨てろ!!」

選手達がその挑発に乗らず冷静に対応し、ロッカールームへと引き上げた為大事には至らなかったが、仕事を抜け出したことが一目でわかるスーツ姿に目隠し帽のリーダ格の男はレオ・フランコ、GKコーチミゲルに仲間が引き離すまで絡み続け、一つ間違えれば殴り合いになる可能性を秘めた一触即発の状態であった。事態はまもなく、治安警察がやってきたことで沈静化。これ以上の混乱を避けるため、選手らは警察にガードされ、ひとつに固まって練習場を後にすることを余儀なくされた。

記者会見に出席したセサル・フェランドは今回の騒動を招いた責任を感じているのか「自分の家に他人が土足で上がり好き勝手に振舞う行為は誰も好まない。自分達に不満を持っているサポーターがいることは分かっているし、近代国家の現代では誰もが自分の意見を述べる権利がある。国王杯で敗退したことで彼等は自分達を非難している。だがもうそれは終わったこと。これ以上話すことは無い。」と述べるだけで終えている。彼のコメントからはサポーターとは到底呼べない集団の意見、行動に正当性を与えただけで、サッカー界の暴力を否定する断固としたものを残念ながら見ることは出来なかった。

問題を多く起こしながらもスペイン国内では世界一と言われてきたアトレティコ・マドリーのサポーター。だが今回またしても越えてはいけない一線を越えてしまった。

Miembros del 'Frente' la lian en el entrenamiento del Atletico

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