マドリーダービーのカギ握る、左サイドのグロンケア

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6日(現地時間)、アトレティコ・マドリーはマドリー郊外の練習場でトレーニングを行った。マドリーダービーまで残り3日となったこの日、各選手のモチベーションの高さが随所に現れ、練習風景は活気溢れるものとなった。

 ミニゲームで各選手が精力的に動く中、一際目を引いたのが、フェランド監督がグロンケアに何度も大きな声をかける場面だった。
 グロンケアは、この冬の移籍市場でアトレティコが獲得したデンマーク代表MF。鋭い突破と、思い切りの良いシュートを放つことを両サイドで披露できるグロンケアをアトレティコはリーガ後半戦を戦う上での“切り札”として獲得したのであった。
 両サイドを高いレベルでこなせるグロンケアだが、この日グロンケアはレギュラー組の左サイドハーフとしてプレーした。そしてそのグロンケアにフェランド監督が念入りに声をかける場面は、グロンケアがダービーの勝敗を左右する一端を担っていることをうかがわせた。

 フェランド監督がグロンケアを左サイドハーフとして起用することには二つの理由が考えられる。その一つ目は、レアル・マドリーの不動の右サイドバックであるサルガドの累積警告による出場停止で、ダービーではレアルBから招集されたアルベロアがプレーすることである。この経験豊富とは言えないアルベロアに百戦錬磨のグロンケアをぶつけ、左サイドの主導権を握ろうというフェランド監督の狙いが見て取れる。また二つ目は、もしグロンケアを右サイドで使うとなると、彼と対峙(たいじ)するのはロベルト・カルロスということである。この快速サイドバックとの消耗戦によって、せっかくのグロンケアの攻撃力が半減、あるいは消滅する可能性が大いにある。これらの要因から、フェランド監督がグロンケアを左サイドで起用するということが容易に考えられる。

 デビュー戦がマドリーダービーとなるグロンケアだが、プレミアリーグのチェルシーでプレーをしていた当時は、ロンドンダービーやマンチェスター・ユナイテッド戦など、いわゆる大舞台で重要な活躍を幾度も見せてきた選手である。マドリーダービーという大舞台でも、何かを起こすのではないかという期待を抱かせる。そして、その驚きを起こすポジションとしてフェランド監督はグロンケアに左サイドを用意した。グロンケアは監督の期待、そしてサポーターの期待に応え、チームに勝利をもたらす働きができるのかどうか。9日にはアトレティコの左サイドから目が離せなくなりそうである。

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