コレア「あれは悪ふざけの過ぎた夜だった……」

この記事は約8分で読めます。

フェルナンド・エドガルド・コレアはコカインの陽性反応によって12ヶ月の出場停止処分を受けた。今はこの期間が縮まることを待ち望み、次の2月には再びマジョルカでプレーできることを期待している。コカインを使用した事実も認め、その夜、人生において最も大きな過ちを犯したと後悔する。プレーするときが来たとしても、「ドラッグ中毒」だと罵られることは分かっている。しかし彼は落ち着き、その大きな才能を見せつけるため2度目のチャンスが与えられることを願う。

-フットボールから離れたここ数ヶ月、どう過ごしました?

「最初は難しかったし、全部を受け入れるのはとても大変なことだった。12ヶ月の出場停止だって告げられたときは最悪だった。誰もこんな長い期間の処分は喰らっていないし、弁護士によれば常習犯に与えられる処分だそうだ。本当に最悪だった。家族や電話を掛けてくれた友人を頼りにしたよ。マジョルカの練習に参加することを認めてくれたマテオ・アレマニー(マジョルカ会長)からの電話は本当に嬉しかった」

-しかし、それはどうしてですか?あなたは正式にはアトレティコ・マドリーの選手です。
「そうなんだ。私はアトレティコの選手だった。だけど、アトレティコには契約を破棄されたし、練習するにもチームがなかったんだ。1年契約が残っていて、その契約を破棄したというわけさ。所属先がなくて、マドリーで自主トレをしていたんだ」

-所属先もないまま、どのくらいの間1人で練習していたんですか?

「1ヶ月とちょっとかな。そしたらマテオ・アレマニーから電話があって・・だからマジョルカのために来た」

-アトレティコに契約破棄されたことで失望しました?

「予期していなかった。フロントの誰とも何の問題も抱えていなかった。マジョルカに来る前は他の選手たちと別れて練習していたけど、非難することはなかった。いつも上手くいっていたし、正直言って契約破棄は予期できなかった。だけど契約にはこのようなことが起きた場合には、契約破棄できる条約があったし、アトレティコはそれを行使したということさ」

-人としての扱いよりも規則が優先されたということ?

「そう。だからこそ予期できなかった。アトレティコと悪い関係だったことはなかったからね。だけどもう過ぎたことさ。彼らとは今も話しているし、問題はないよ。アトレティコが僕にしたことには腹を立てたけど、前進していかないと。今はマジョルカのためにやるだけさ。マテオ・アレマニーのためにも」

-マジョルカは新しい契約を用意したのですか?契約の状況はどうなっています?

「出場停止処分が解けることを期待しているし、その後に契約をどうするか検討することになる」

-この期間に引退することは考えました?

「知らされたときに最初に考えたのは、家族とウルグアイに帰って全て辞めることだった。妻は辛抱しなきゃって言うんだけど、自分自身は失望していた。本当に恥ずかしくて、練習に行くのが辛かった。(現スペイン代表監督)は本当によくしてくれたし、お返しをたくさんしないといけない。それからベニト・フローロも。そして練習参加の許可をくれたクーペル。これらのことは忘れてはならないことだ」

-妻の支えは重要でした?

「言葉にならないよ。最初から僕の味方でいてくれて、全て助けてくれた。いつも落ち着かせてくれて、私の側にいてくれた。借りはたくさんある」

-チームメイトも良くしてくれました?

「素晴らしかった。仲間たちは何事もなかったように以前と同じように接してくれた。彼らと同じリズムで練習しているし、いい感じだ。意欲もあるし、フィジカル的に良い状態にあるのも彼らのおかげだ」

-ドーピング検査を行ったときは陽性反応が出ると思いました?

「いや、想像すらしていなかった。馬鹿げたことをしたと思ったよ。だけど、このようになるなんて思いもしなかった。あの夜はすごく馬鹿げたことをしたし、このようになるなんて考えもしなかった」

-自分のキャリアが懸かっているというのに、フットボーラーはどうしてコカインを試すということをするんでしょう?

「残念なことに誘惑はいつでも、どこにでもあるんだ。1人1人が自覚して自分の取るべき行動を決めなければいけない。あの時は悪ふざけで、軽いのりだった。それでああいう風になってしまったんだ」

-その夜はどうでしたか?

「思い出したくもない馬鹿げた夜だった。もう過ぎたことだよ。後悔しているし、前だけを向いていたいんだ」

-きっと何度も後悔したと思いますが・・・

「ああ、本当にね。今日まで考えさせられたよ・・。今まで何か問題を抱えていたわけじゃないし、いつも私はドラッグ撲滅試合に出ていた。ウルグアイでもいつも恵まれない子供たちを病気から守るために色々な慈善事業をやってきた。自分にこのようなことが訪れるなんて思いもしなかった」

-ピッチに戻ってきたとき「ドラッグ中毒」と叫ばれることに不安を感じていますか?

「そうなることは分かっているし、間違いなくそうなるだろう。心の準備は必要だね。だけどみんなに何を言われても、私はやる気があるし、前進していくために出来る限りのことをやる。今、考えるのは残されたフットボール人生を十分に楽しむだけだよ。もうすぐ31歳になるし、残されたフットボール人生を限りなく楽しみたい」

-陽性反応が出たことでマドリーではあなたの生活はスポーツ選手のそれではなかったと噂されました。コカインを試したのはその時だけですか?

「そう。そう1回だけ。夜はあまり出歩かないし、家族もたくさんいる。2人の娘と息子、時間があるときは家族といるようにしている」

-この噂はあなたの耳に入りましたか?

「いいや。だけどプレーできるようになったら何が待っているか分かっている。ありとあらゆる事を言ってくるだろうね。だからプレーできるようになったら、フィジカル的によい状態で、スポーツ的なことだけが話題に上るように今頑張っているんだ」

-そのプレッシャーに耐えられますか?

「大丈夫。戻りたくてしょうがないし、周りがいうことには興味がないよ」

-破滅したマラドーナを見てどう思います?コカインを試したあの夜を思い出しますか?

「ディエゴの状況と僕のとは全く関係がないよ。僕は中毒ではないし、病気でもない。馬鹿げた夜を過ごしたし、本当に後悔している」

-グルペギのケースをみて差別されていると思いますか?あなたは出場停止処分を果たしているにも関わらず、彼は出場停止処分を受けても、その義務を果たしていません。

「思わない。ただ私が言いたいのは、私の処分は過度だということ。なぜかといえば、常習者の処分だからだ。代表選手は模範であるべきというのが理由のようだ。あまりにもひどい処分だと思う。だけど弁護士がいるし、処分が解けるのが2月にならないかと動いている。グルペギの場合は僕のとは全然違うからね。比較はしたくないよ」

-出場停止からフットボールに戻ってくることは新しいチャンスだと思いますか?

「そうだね。新しい時代だね。一から始める。プレーしたいという緊張感は今までどおりだ。ピッチに全てを集中して、最大限の努力をする。もう31歳になるし、残りのフットボール人生を楽しまないと」

-何歳までプレーできるでしょう?

「若いときから30歳までプレーすると言ってきた。だけど色々あった後で、日曜日に試合を見に行くと自分にとってフットボールが全てだということに気付いたんだ。まだ引退するのは先の話かな」

-どんな思いで試合を見ています?

「チームを助けたい一心だよ。マジョルカの状況は良くないからね。まあ良くなってきてはいるけど、難しい状況に変わりはない。彼らと練習しているのに日曜日に一緒にいれないのは辛いよ。だけど毎日助けるようにしている」

-観客としてリーガをどう見ていますか?

「バルセロナが頭ひとつ抜けているね。とんでもなく質が高いし、マークは激しく、プレスもきつい。全員が走り、全員がゴールを狙ってくる。賞賛に値するものだよ。見習わないといけないね。R・マドリーは何か欠けている。控えめに私の意見を言うと、それはバルセロナが持っている度胸だと思う」

-では、マジョルカには1部に残留できる選手がいますか?

「間違いないよ。選手個々はとてもいい。質が高いし、今はチームになっている。幸いにも挽回している。とても強いディフェンスがいるし、中盤もとてもいい。ゴールも入るさ。間違いなく上に行けるチームだよ」

-エクトル・クーペルはコレアを戦力として考えているでしょうか?

「彼は誰とも同じ接し方をする。出場停止だっていうのに、日曜日に試合をするような扱い方をするんだ。チームメイトと同じ練習をこなして、練習後にはフィジカルコーチと練習しているし、まあそれが一番きついんだけど」

-体重オーバーは?

「1キロ減らさないといけない。私に欠けているのはフットボールだっていうことさ。親善試合すらプレーできないからね」

-友達と遊びでプレーすることも?

「ないね。練習だけだよ」

-今回の件で代表への扉は閉ざされたと思いますか?

「代表監督(ホルヘ・フォサッティ)は私を良く知っているからね。キャリアの中でとても重要な人物だった。キャリアを始めたときに彼はいたし、良く知っているんだ。監督を納得させなければいけないし、もしそうできたら彼は呼んでくれるはずさ」

パルマ・デ・マジョルカにある彼の自宅で、コレアは息子のティシアーノを抱えながらインタビューに応じてくれた。ペニャロールのユニホームを着た3ヶ月の赤ちゃんは、この出場停止期間中に生まれた。妻のガブリエラや2人の娘たちと同じように、3ヶ月の息子はコレアにとって最大の支え。コレアは今、熟練した“ベビーシッター”なのである。元チームメイトのスタンコビッチの娘たちも彼の家で預かっているという。アトレティコ・マドリーは彼の契約を破棄し、マジョルカが新しいチャンスを与えてくれた。コレアは頭に残っていたあの夜に犯した“馬鹿げた”悪夢を消して、それを覆そうと再びピッチに帰ることを夢見ている。

コメント