アトレティコ・マドリーは来季、現マジョルカ監督のルイス・アラゴネス氏の手にチームをゆだねる模様。これは、次季監督には、アトレティコファンに愛され、またスペインで最高の監督がふさわしいという、アトレティコの幹部役員の間での決定によるもの。アトレティコは現在、1部返り咲きかそれとも2部残留かという厳しい状況にあるが、アラゴネス監督は、たとえチームが2部残留でも監督就任をすでに了解済み。
今はマジョルカとの現行の契約を尊重して公表を控えており、アトレティコ側もマジョルカ側の発表があるまで、正式発表はしないとみられる。ルイス・アラゴネス監督とクラブは、まだ正式に契約をとりかわしたわけではないが、アトレティコ上層部にとっては、アラゴネス氏のOKをとりつけたことでもう十分なのだ。
ルイス・アラゴネス氏にとってアトレティコは、選手として活躍しまた監督としても数シーズン在籍した、生涯を通じてのクラブである。しかし、ヘスス・ヒルとの関係は、かならずしも穏やかというわけではなかった。ところがこの数ヶ月間、両者は徐々に歩み寄りの姿勢を見せはじめ、ヒル会長の皮肉屋ぶりもすっかり陰を潜めたという。そして遂にアラゴネス氏は、アトレティコが来季2部残留でも指揮をとり、1部昇格をめざすことを約束。
さらに、もし今季 “1年間の地獄”から脱出して奇跡的に1部復帰を果たしたら、今度はチャンピオンズリーグをめざすもくろみらしい。ちなみに、彼が指揮するマジョルカは現在リーグ4位につけ、当初の目標通りチャンピオンズリーグ出場枠に食い込む快進撃をつづけている。
同氏とクラブの間での最初の接触は1ヶ月前で、その時からアトレティコが同氏獲得に躍起になっていたことは、地元一般紙ABCによってすでに報道済み。アラゴネス氏は、デポルティーボやバレンシアからのオファーについては認めたものの、アトレティコのオファーについては言及することがなく、クラブに対する生涯変わることのない愛着と、彼の原点は常にアトレティコにあることを語るに留めていた。
ルイス・アラゴネス氏がアトレティコに監督として在籍したシーズンは多岐に渡り、その間、手にしたタイトルは、リーグ優勝1回(76/77)、国王杯3回(75/76、87/88、91/92)、インターコンチネンタル杯(1975)、スーパーカップ1回(1985)リーグ準優勝2回(84/85 、95/96)、カップウィナーズカップ準優勝(85/86)。アトレティコの100年近い歴史の上で、最長の監督在位期間と、獲得タイトル数を誇る。アトレティコの伝説、ルイス・アラゴネスがクラブ再興をかけてカルデロンに戻ってくる。
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