16日、ビセンテ・カルデロンに集まったファン達は先日(14日)亡くなったヘスス・ヒルの冥福を祈り、厳かに1分間の黙祷を捧げた。
16年もの間アトレティコ・マドリーの会長を務め、1992年にクラブが株式会社となったときから筆頭株主でもあったヒル。彼のために人々は最大限の敬意を払い、立ち上がって哀悼の意を表した。
ピッチ中央に集まった選手達は胸に手をあて、ゴール裏のスタンドには“D・E・P”(安らかに眠れ)と書かれた垂れ幕や故人の似顔絵が掲げられる。貴賓席にいた元会長の息子達を始め、スタジアム全体が悲しみをこらえるのに必死の表情を見せた。
黙祷が終わると、ビセンテ・カルデロンには無数の拍手の音が鳴り響く。シメオネも両手を高く挙げ、感情を抑えきれない様子。スタンドでは、これまで元会長を揶揄する言葉だった“イ・タル・イ・タル”(ああだこうだ言うの意)と叫ぶファンも多かった。後半、選手がフィールドに飛び出すと、紙吹雪と共に“アトレティ!アトレティ!”と大合唱が始まる。
こうしてアトレティコのファンはヘスス・ヒルに別れを告げた。またこの試合は今季チームがホームでプレーする最後の試合でもあった。
元会長の息子であるミゲル・アンヘル・ヒルは、ファンをはじめ多くの人が故人に愛情を傾けてくれたことに感謝の気持ちを惜しまない。「これほど愛される父を持ったこと、そしてこのクラブにいることを誇りに思う。アトレティコのファンや、フットボール界の多くの人々が私たちを支えてくれた。何度でもありがとうと言いたい」と涙ながらに語った。
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