ワールドカップでSonyコーチアンバサダーを務めるアトレティコ・マドリーのディエゴ・シメオネ監督は、スペイン代表としてアトレティコからワールドカップに出場しているMFコケとFWダビド・ビジャの2人の選手について語ってくれた。
コケは素晴らしい選手だよ。彼に関しては、いつもこの話をするんだ。アトレティコで指揮を執り始める少し前に、テレビで彼のプレーを見た時のことだ。
アトレティコがレアル・ベティスに敗れた試合で、テレビのコメンテーターは彼のことを一度も話題にしなかった。交代で出場して20分プレーしても、名前すら呼んでいなかったんだ。
私は自分の中でこう思っていたよ。「コメンテーターは彼について何も言わないが、本当に良いプレーをしている。優れたパス能力を持っており、よく走り、ポジショニングもいい。サッカー選手にとってとても大事なことだ」ってね。
(アトレティコ助監督の)ヘルマン・ブルゴスに言ったよ。「あの小柄でガッチリした25番の選手は誰だい?」って。
「彼の名前はコケ。アカデミーでプレーしている素晴らしい選手だ。今19歳で、アトレティコは彼をマラガに送りたいと考えている」と彼は答えた。マラガだって? あり得ない話だと思ったよ。
アトレティコの監督になると、すぐにコケに話をした。「君はアトレティコで重要な選手になる。そのことを納得させるための話がしたい。私はここに来たばかりだし、君は私のことを知らないだろうから、信頼しろとは言わない。だが、ここに残ってくれるならクラブにとって重要な選手になるだろう」と。
これが3年前の話だ。当時は才能豊かなジエゴ・リバスとアルダ・トゥランがチームにいて、彼は2人の控えだった。ジエゴ・リバスが去って、コケはチームに定着することになった。
これから彼は、世界で最高のMFの一人になることを運命づけられていると思う。
ダビド・ビジャは、先日電話をかけてきて、新たなキャリアのチャンスを提示されたことを伝えてきた。誠実な男だよ。
彼はEUROやワールドカップやチャンピオンズリーグで優勝し、バルセロナで誰もが羨むような金銭的条件でプレーしていて、そういうところからやって来た。それでも彼が加入して最初に言ってきたのは、プレッシャーのかかる状況に置かれたいということだった。
このチームに合ったタイプの人間だとすぐに感じたよ。ビジャはピッチ上で、大いにバランスをもたらしてくれた。
ジエゴ・コスタのために、ビジャには守備的な仕事をさせた。ゴールを決めることに慣れていた彼にとってはある種の格下げのようなものだった。だが、彼の献身的な働きのおかげで、コスタとビジャで合計40ゴールを記録することができたんだ。
ビジャは素晴らしい人間性を持っており、彼にとっては人生を良くするチャンスだった。彼が電話をかけてきてくれたのは、選手と監督の関係性として非常に理想的なものだったよ。
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