アトレティコ・マドリーを劇的なリーガエスパニョーラ優勝へと導いたディエゴ・シメオネは、ワールドカップにおけるSonyコーチアンバサダーを務めることになった。最初の独占コラムで、彼はブラジルでのスペイン代表の早期敗退の理由に目を向けた。
スペイン代表は、バルセロナが見せたのと同じフットボールで我々を魅了してきた。非常に優れた個人をひとつのチームに集めることができた信じられないような瞬間であり、その結果は誰もが目にした通りだった。
その瞬間と現在は同じ時間ではない。一方で周囲はいつも同じように彼らを、バルセロナを、スペイン代表を破ろうと挑戦し続けている。そのため、彼らと戦うための方程式を見つけ出す者が出てきたのは論理的なことだ。
サッカーとは、時に相手の方が自分たちより優れていることもあるゲームだと私は考えている。そういう意味において、オランダとチリの両チームはスペインより良いプレーをし、スペインのインテンシティを上回り、スペインと戦うのに最善の方法を特定できたということだ。
サッカーは非常に移ろいやすいものだ。スペインの選手たちはそれぞれのベストを尽くすつもりでワールドカップに乗り込んでいたはずだが、別のチームも同じように準備をし、同じように争い、よりインテンシティと積極性のあるプレーをしてきたとすれば、負けるという結果に終わってしまうこともある。
チリ戦ではシャビがいなかったが、スペインはシャビに全面的に依存していたわけではない。彼らが依存していたのはポゼッションを支配するチーム全体であり、同時に非常に堅実なチームでもあった。前回のワールドカップでは、スペインが2点を超える点差で勝った試合は一つもなかった。だが今回の大会では、シャビがいようといまいと以前のようなポゼッションを再現することができず、一方で堅実さも失われていた。
この結果を受けて、ジエゴ・コスタが機能しなかったと言ってしまうのも非常に簡単なことだ。スペインは一つのリズム、一つのペースで戦うことに慣れていたが、コスタが提供するのはそれとは異なる特徴だ。コスタが走る動きをうまく活かせなければ、彼を孤立させてしまうことになる。
彼はスペースを利用すること、深い位置から攻撃を仕掛けること、ラストパスの受け手になることを好んでいる。だが、スペインのサッカーはコレクティブな動きにより重点を置いている。スペインはそのコレクティブなサッカーで最高のパフォーマンスを発揮することができなかったし、コスタと彼がもたらすプレーの特徴をうまく活用することもできなかった。
監督というのは、自分が選んだ選手たちについて、なぜ選んだかの理由を知っているものだ。私はそのことについて話したいとも介入したいとも思ったことはない。変化について話すのはフェアなことでもないだろう。スペインはいつもこのやり方でプレーして、いつも非常に素晴らしい戦いをしてきた。「プランB」を求める者たちは、スペインのプレースタイルを誰もが称賛していた頃からそう主張するべきだっただろう。
他者が勝利のための準備をし、勝利のために戦うのであれば、こちらを上回ることもある。それが現実だ。スペインに起こったのはそういうことであり、それがサッカーだ。今回は彼らが敗れた。だが私は、スペインがまた戻ってきて戦えると確信している。過去10年間もそうしてきたように。
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