ゴール欠乏症に喘ぐグリーズマン…もはやC・ロナウド、メッシとは同じテーブルを囲めず?

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どうやらアントワーヌ・グリーズマンのレベルはまだまだ世界最高と呼べるところにないのかもしれない。クリスティアーノ・ロナウドやリオネル・メッシといった異次元の選手と肩を並べるには、安定した活躍が必要不可欠だ。しかし実際のところ、彼らとグリーズマンの間には大きな差がある、そう感じさせてしまうシーズン序盤となっている。

今までのところ所属先のアトレティコ・マドリーは最高の時間を過ごしているとはいえないが、グリーズマンの不調が、開幕から続くチームの低空飛行と決して無縁ではないことは明らかである。このフランス人は今シーズン開幕時からすでに不調に喘ぎ、これまでたったの3ゴールしか記録していない。

レアル・ソシエダで頭角を現したグリーズマンは今シーズンの開幕戦、セグンダ・ディビシオンから昇格したばかりのジローナとの試合で退場処分となり、続く第2節ラス・パルマス戦、第3節バレンシア戦を出場停止処分により欠場。出足から躓く格好となった。その間、ディエゴ・シメオネ率いる情熱のチームが獲得した勝ち点は5ポイントのみだ。

スタディオ・オリンピコで開催されたチャンピオンズリーグのローマ戦ではプレーしたものの、スコアレスドローの結果からチームを救うことはできなかった。また、18日に開催されたカラバフとの一戦でも決定的なチャンスをゴールにつなげることができず、こちらもスコアレスドローで試合を終えている。実際、今シーズンのグリーズマンがヨーロッパ最高の舞台で決めたゴールはチェルシー戦で決めたPK1本だけ。そして、この得点は勝ち点の獲得には結びついていない。エースとしての期待に応えられていない難しいシーズンを過ごしている。

今シーズンのグリーズマンが見せた唯一の輝きといえば、アトレティコ・マドリーの新スタジアム、ワンダ・メトロポリターノのこけら落としとなったマラガ戦でスタジアム史上初めてのゴールを記録したこと、また、ホーム2戦目となったセビージャとの試合でも得点し、2−0での勝利に貢献したことくらいである。しかし、その2ゴールはいずれも好調の兆しさえ呼び込むことはなかった。

グリーズマンは22日に行われたセルタ戦、試合を決定づけるビッグチャンスでもゴールを決めることができず、これまでの成績は10試合で3ゴール。しかもこのフランス人が出場した試合でアトレティコはたった4勝しかしていない。昨シーズンは175分ごとにゴールを記録していた一方で、今シーズンは1ゴールに275分を要し、実に3試合に1ゴールにまで得点ペースが降下している。シュート精度(枠内シュート率)は57%で、決定的なチャンスに限ればその数字は43%にまで落ちる。

「クリスティーノ(・)と(リオネル・)メッシと同じテーブルで食事がしたいね。僕の目標は世界最高の選手たちとともにいることさ」

昨年8月にはそう語っていたグリーズマンだが、今の現実はそれとは遠くかけ離れている。

アトレティコ・マドリー、フランス代表でそれぞれチャンピオンズリーグとユーロというヨーロッパの大舞台で準優勝を果たした2016年、グリーズマンはメッシ、ロナウドと並んで世界最高の選手として見られ、雲のように高い展望を描いた。しかし、今季のグリーズマンはバルセロナとレアル・マドリーの両スター選手からは非常に遠いところにいるのだ。

メッシはすでに14試合で15ゴールを記録、これは84分ごとにゴールを決めている計算になる。処分による欠場からシーズンをスタートしたロナウドも94分ごとにゴールネットを揺らし、これまでに9試合で7ゴールを記録している。グリーズマンは世界で最も偉大な選手とともに同じテーブルを囲むために仕事を続けているが、今年の成績は彼らからは程遠い。アトレティコ・マドリーも、このフランス人のゴール欠乏症に苦しんでいる。

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