新たな要塞も頑強…アトレティコがカラスコ&グリーズマン弾でセビージャ撃破、新メトロポリターノで連勝/リーガ第6節

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リーガエスパニョーラ第6節

アトレティコ・マドリー 2−0 セビージャ

アトレティコ:カラスコ(46分)、グリーズマン(70分)

23日のリーガエスパニョーラ第6節、アトレティコ・マドリーは本拠地ワンダ・メトロポリターノでのセビージャ戦を2−0で制した。

アトレティコが新スタジアム、ワンダ・メトロポリターノで臨む2回目の試合は午後1時キックオフ。アトレティコはまだ整備が不完全な交通の渋滞を防ぐため、朝9時に来れば朝食としてチュロスを配布するなどのキャンペーンを行っていた。

それから約3時間後に発表されたアトレティコのスタメンは、ミッドウィークに行われるチャンピオンズリーグ・チェルシー戦を見据えた仕様となった。前節アスレティック・ビルバオ戦(2-1)で先発したヒメネス、ゴディン、トーマス、ガイタン、アンへル・コレアを休ませ、GKオブラク、DFヴルサリコ、サビッチ、ルーカス、フィリペ、MFコケ、、サウール、カラスコ、FWビエット、グリーズマンを起用。なおフェルナンド・トーレスはアトレティコに復帰した2014−15シーズン以降、初の招集外となっている。

試合は予想された通り、ベリッソ監督率いるセビージャがボールを保持し、アトレティコがカウンターで応戦する展開。セビージャはいつも通り最終ラインが高く、一方アトレティコがゴールに前に押し込められるのを嫌ったために中盤で激しい攻防が繰り広げられた。最初に決定機を手にしたのはセビージャ。12分、サラビアのシュートがサビッチに当たってコースが変わり、ポストに当たった。対するアトレティコは18分、左サイドで気を吐くカラスコのパスからフィリペが左足でボールを叩くが、こちらはクロスバーに直撃している。

その後、両チームとも決定的なチャンスを手にできぬままハーフタイムを迎える。そして後半開始直後、新メトロポリターノにこの日一番の絶叫が響いた。アトレティコがゴールを生み出した瞬間、セビージャが今季初失点を許した瞬間である。

46分、ビエットの左サイドに向けたパスにカラスコが走り込む。並走するエンゾンジに先にボールに触れられたカラスコだが、スピードを落とさずそれをかっさらってペナルティーエリア内に侵入すると、対応したGKリコもかわしてネットを揺らした。ゴール直後、新メトロポリターノのスピーカーからはセヴン・ネイション・アーミー が流れ、「ゴールを決めたのはジャニック?」「カラスコ!」「ジャニック?」「カラスコ!」とアナウンス&観衆が掛け合う。カルデロンでの習慣が、同等かそれ以上の熱狂の中で行なわれた。

6万8000人の収容人数を誇るスタジアムであるためか、カルデロンのように一部ではなく全体に屋根があるためか、新メトロポリターノはイムノ、チャント、アナウンスに凄まじい響きをもたらす。「オレ! オレ! オレ! チョロ・シメオネ!」も「テ・キエロ・アトレティ(アトレティ愛してる)」も「キエン・ノ・サルテ・マドリディスタ(跳ばない奴はマドリディスタ)」も「プー◯・セビージャ」の相手を侮辱するチャントも。ゴールを決めてその反響さらに強まる中、シメオネ監督はビエットとの交代でアンヘル・コレアをピッチに立たせた。

アトレティコは焦るセビージャの反撃を跳ね返しながら、相手を隙を突く形で追加点を狙う。それが決まったのは70分のこと。得点者は、新メトロポリターノの初の得点者であるグリーズマン。フランス代表FWはフィリペのスルーパスをペナルティーエリア内左で受け、左足のシュートでリコを破っている。

リードを2点に広げたシメオネ監督は、グリーズマン、カラスコも下げてガメイロ、トーマスを投入。終盤にはA・コレアが決定機を迎えるもリコの好守に阻まれ3点目こそならなかったアトレティコだが、堅守によって失点も許すことなく新メトロポリターノで2戦連続での完封勝利を収めた。観衆は最後に「アトレーティ! アトレーティ!」を響かせて、新たな要塞の出口へと向かっている。3連勝のアトレティコは勝ち点を14に伸ばし、今季初の黒星を喫したセビージャを1差で上回って2位に浮上した。

ちなみに、試合後にはスタジアムの外でコンサートが18時まで行われるなど、新メトロポリターノはチュロスの朝、試合の昼、コンサートの夕方とお祭り騒ぎが続くことになる。

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