210分スコアレス、PK突入の熱戦…勝者はアトレティコ、PSV撃破でCL8強

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210分スコアレス、PK突入の熱戦…勝者はアトレティコ、PSV撃破でCL8強
チャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦セカンドレグが15日に行われ、アトレティコ・マドリーとPSVが対戦した。

 2月24日のファーストレグではPSVが後半途中に退場者を出したが、最後までゴールを許さずにスコアレスドローで終了。アトレティコ・マドリーはアウェーゴールを奪うことができなかった。

 ホームでのセカンドレグに臨むアトレティコ・マドリーは、12日のリーガ・エスパニョーラ第29節でデポルティーボに3-0と快勝。PSVとのファーストレグを含めて公式戦8試合負けなし、4連勝中と好調だ。最近3試合連続で3ゴールを挙げるなど、攻撃陣も結果を残している。中2日で迎える一戦、ディエゴ・シメオネ監督は先発メンバーを1名変更。FWルシアーノ・ビエットに代わって、MFアウグスト・フェルナンデスが先発出場を果たした。

 そのほか、最後尾にはGKヤン・オブラク、最終ラインは右からフアンフラン、ホセ・ヒメネス、ディエゴ・ゴディン、フィリペ・ルイスが並び、中盤はA・フェルナンデスのほか、コケとガビ、サウール・ニゲスが入る。前線ではアントワーヌ・グリーズマンとヤニック・カラスコがコンビを組んだ。

 一方、アウェーゴールを許すことなくファーストレグを終えたPSVは、12日のエールディビジ第27節でヘーレンフェーンと1-1の引き分け。リーグ戦での連勝は10でストップしたが、27試合でわずか1敗と安定した成績で首位を走っている。中2日で迎えるセカンドレグでは、ファーストレグで退場したU-20ウルグアイ代表FWガストン・ペレイロが欠場を強いられたものの、出場停止明けのオランダ代表FWルーク・デ・ヨングが復帰した。そのほか、メキシコ代表DFエクトル・モレノやオランダ代表DFジェフリー・ブルマ、同MFアンドレス・グアルダードといった面々が先発メンバー入り。従来の4バックではなく、3バックでアウェーゲームに臨む。

 大観衆のビセンテ・カルデロンで、両チームが序盤から激しい戦いを見せる。球際でボディコンタクトの応酬となり、攻守の切り替えも早い好ゲームが展開されていった。チャンスの数は少ないながらも、緊迫した内容で推移していく。最初の決定機は15分、アトレティコ・マドリーが斜めのスルーパスでペナルティーエリア右側へ進入すると、コケの折り返しを受けたグリーズマンが合わせたが、至近距離からの左足シュートは相手GKに阻まれた。直後の右CKではゴディンがヘディングシュートを放ったものの、枠を越えた。

 PSVは28分、縦パスからダイレクトのポストプレーで右サイドを突破し、マルコ・ファン・ヒンケルが深い位置からグラウンダーのクロスを送る。中央には枚数が揃っていたが、GKオブラクに阻まれてシュートには至らなかった。

 均衡を破りたいアトレティコ・マドリーは37分、右サイド深くからガビがクロスを上げ、ファーサイドのカラスコが折り返してグリーズマンがヘディングシュート。オフサイドとなったが、PSVゴールを脅かした。40分にはカラスコが思い切りよくミドルシュートを放つと、枠をわずかに越えた。前半は枠内シュート数が1対0と拮抗した内容で、スコアレスのまま終了した。

 0-0で迎えた後半も、互いに中盤でプレスの応酬となる。スコアが動くことなく10分が経過し、先に交代カードを切ったのはアトレティコ・マドリーのシメオネ監督だった。57分、A・フェルナンデスに代えてフェルナンド・トーレスを投入。攻撃陣の配置転換を施して打開を図る。

 しかし直後にPSVが決定機を迎える。ペナルティーエリア左側でパスを受けたユルゲン・ロカディアが右足シュートでファーサイドを狙うと、GKオブラクが触ったボールは右ポストを直撃。こぼれ球をデ・ヨングが頭で合わせたが、至近距離で相手DFにブロックされた。

 65分を過ぎたあたりから、スペースが増え始めてオープンな展開になっていく。70分にはアトレティコ・マドリーのトーレスがペナルティーエリア内で前を向いてトラップしたが、シュートに持ち込む前に相手DFにカバーされ、スライディングでブロックされた。75分にはアトレティコ・マドリーがカラスコに代えてマティアス・クラネビッテルを投入。中盤のテコ入れを図り、後半のラスト15分を迎えた。キレのある動きを見せるトーレスが積極的に突破を狙い、攻撃のアクセントとなっていった。

 0-0のまま、後半も残り5分を切った。延長戦突入が濃厚となる中、アトレティコ・マドリーは90分にゴディンを下げてリュカ・エルナンデスをピッチに送り出し、交代枠を使い切った。そしてスコアレスのまま、後半が終了。ファーストレグとの合計180分間では決着がつかず、延長戦に突入した。

 延長前半、アトレティコ・マドリーはボールポゼッション率を高めて攻め込むものの、次第に攻撃陣が単独突破を図るようになり、なかなか決定機を作り出せない。104分にグリーズマンがペナルティーエリア内でパスを受けて左足で狙う場面があったが、相手GKの正面を突いた。0-0のまま迎えた延長後半も、互いにゴールを脅かすことができないまま推移。PSVは終了3分前にデ・ヨングを下げてルシアーノ・ナルシンを投入したが、最後までスコアは動かなかった。

 ファーストレグ、セカンドレグ、延長戦の計210分間を終えても0-0のまま、決着はPK戦へと持ち越された。先攻はPSV、ファン・ヒンケルが成功。アトレティコ・マドリーの1人目、グリーズマンも冷静に決めた。両チームとも5人目まで全員がキックを成功させ、サドンデスへ突入。6、7人目もともに成功すると、PSVの8人目を務めたナルシンのシュートがクロスバーに阻まれた。決めれば勝利となるアトレティコ・マドリーは、フアンフランが成功。8-7でアトレティコ・マドリーが熱戦に終止符を打った。

 3大会連続のベスト8進出を決めたアトレティコ・マドリーは次戦、19日のリーガ・エスパニョーラ第30節でスポルティング・ヒホンとアウェーで対戦。一方のPSVは20日のエールディビジ第28節で、勝ち点差「1」と肉薄している2位アヤックスとの首位攻防戦をホームで迎える。

【スコア】
アトレティコ・マドリー 0-0(延長)(2試合合計:0-0)(PK:8-7)PSV

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