27日のリーガエスパニョーラ第26節、敵地サンティアゴ・ベルナベウでのレアル・マドリーとのダービーを1-0で制したアトレティコ・マドリーだが、この勝利は厳しい過密日程を乗り越えてつかんだものだった。スペイン『マルカ』が、ダービーまでのチームの動きをレポートしている。
24日(水)にチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦1stレグ、アウェイでのPSV戦に臨むことが前もって決まっていたアトレティコだが、スペインプロリーグ機構ラ・リーガは次の土曜の最も早い試合枠である16時にダービーを開催することを決定。アトレティコは抗議をしたものの受け入れられず、極めて少ない時間でマドリーとの大一番への準備を進めることになった。
ディエゴ・シメオネ監督率いるコーチ陣が、この過酷な日程で重視したのは睡眠時間の確保だった。0-0で終了したPSV戦後、アトレティコがチャーター機に乗り込んだのは25日(木)の深夜3時過ぎで、マドリッドに到着したのは早朝6時。そこからマハダオンダ練習場で各自が車に乗り込み、自宅に着いたのは約1時間後となる。そしてこの日の練習開始は13時15分に予定され、結局は14時にスタートしている。
そしてダービー前日となる26日(金)の練習も、普段とは異なる時間帯に行われることになった。アトレティコは11時から練習を行うことを常としているが、選手たちをゆっくり眠らせるため、この日は12時30分から開始。コーチ陣は練習終了後、シエスタ(昼寝)を取ることも選手たちに勧めている。そしてチームは同日の21時45分にコンセントレーションのためにホテルに集合し、翌日にそこからベルナベウへ向かった。
アトレティコがダービー前に行った練習の内容は極めて簡素なもので、25日にPSV戦でレギュラーだった選手たちは回復メニューに取り組み、26日はダービーのスタメンを適当に試したのみ。具体的なゲームプランは、ホテルで指示があったとされる。またその期間の朝食と昼食は、選手たちに意識させることなく、炭水化物をできるだけ摂取できるようなメニューが用意された。
チャーター機がオランダからマドリッドに到着してから、ダービーに臨むまでの猶予はわずか58時間。それでも、彼らはダービーまで中5日の余裕があったマドリーを見事に打ち破った。『マルカ』にこの58時間のドラマを説明したクラブの関係者たちは、上記以外の勝利の要因を「選手たちの誇り…、そして根性だ」と、口を揃えて話している。
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