今夏に1億ユーロ(約136億5000万円)を超える選手補強を敢行し、攻撃的選手を多く擁するようになったアトレティコ・マドリーだが、ディエゴ・シメオネ監督は現陣容に最適なシステムをいまだ見つけられていない様子だ。スペイン『マルカ』が報じている。
FWジャクソン・マルティネス、FWフェルナンド・トーレス、FWルシアーノ・ビエット、FWアンヘル・コレア、FWアントワーヌ・グリーズマンによって形成される“ジャクソン5”という強力な攻撃陣を擁するアトレティコ。ディエゴ・シメオネ監督はこの攻撃陣を生かすために4-3-3システムを頻繁に使うことを公言していたが、1-1で終わった先のマドリッド・ダービーを含め、依然として4-4-2を使用する機会が多い。このことには、3トップを使っていくと考えていたアトレティコ首脳陣も驚きを隠せない様子という。
現状では、4-4-2、4-3-3のどちらの使用についても、デメリットが存在している。4-4-2であれば“ジャクソン5”のうちグリーズマン、A・コレアがサイドハーフとして起用されることが多いが、両選手は守備のために後方に下がらなければならず、ゴールに到達する回数が減少する。
一方、4-3-3の場合には中盤がMFチアゴ・メンデス、MFガビ、そしてMFコケで構成されるようになるため、アトレティコの未来を担うとされるMFオリベル・トーレスの扱いが難しくなる。オリベルはリーガ第2節セビージャ戦でこそ攻守両面で奮闘したが、ほかの試合ではどちらのタスクも満足にこなせず、途中交代で下がることが常となっていた。
また、シメオネ監督がチームの理想形をまだ見定めていないのは、その交代策にも表れている。これまでは消極的な選手交代が多く、そのために批判も浴びることがあったアルゼンチン人指揮官だが、今季は全試合で交代カード3枚を使い切り、ここ4試合ではハーフタイムの交代含め、60~65分までに3選手を入れ替えている。
今季のアトレティコは“ジャクソン5”の存在をはじめ、陣容の質自体がより攻撃的となったため、シメオネ監督政権下における最も大きな変化の時期とされる。“チョロ”が試行錯誤を重ねるのも当たり前とも言えるが、それを乗り越えた後、これまでより大きな成功をつかむことはできるのだろうか。
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