R・ガルシアがビルバオ移籍、シメオネは「アトレティコの歴史に刻まれる存在」と賛辞

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アスレティック・ビルバオは30日、スペイン代表MFラウール・ガルシア(29)の獲得に関してアトレティコ・マドリーと基本合意に達した。

アスレティックがナバーラ出身MFの獲得に興味を持っていたことは以前から報じられていたが、ついに移籍が実現する運びとなった。R・ガルシアは30日のリーガエスパニョーラ第2節セビージャ戦(3-0)にスタメンで出場する予定だったが、急にプラン変更となりベンチ外に。その理由は、選手本人がビルバオ移籍を直訴したためだったようだ。そして試合終了から程なくして、ビルバオはアトレティコとの交渉が基本合意に至ったことを発表。移籍金は800万ユーロ(約10億8600万円)+インセンティブ200万ユーロ(約2億7200万円)と見られている。

R・ガルシアが移籍を決断した背景について、スペイン『マルカ』は2つの理由を挙げている。一つは4年契約を結ぶ見込みのビルバオでの年俸が、アトレティコよりも優れたものであったこと。もう一つはアトレティコで出場機会を確保することは容易ではなく、ユーロ2016参加を目指すためにはビルバオの方が都合が良いという考えによってだ。

アトレティコは現状、R・ガルシアの後釜を獲得しない方針。また同選手の退団で予算に余裕ができるため、退団が濃厚と見られていたDFギリェルメ・シケイラがDFフィリペ・ルイスのバックアッパーとして残る可能性が出てきたようだ。

R・ガルシアは2007年に移籍金1300万ユーロでオサスナからアトレティコに加入。加入当初は本来トップ下の選手ながらボランチで起用されるなどして、ファンから批判を受けることも多く、2011-12シーズンには古巣オサスナにレンタル移籍によって出戻った。

古巣に戻ったR・ガルシアは、33試合に出場して11得点を記録するなど復活の兆しを見せ、翌シーズンにディエゴ・シメオネ監督が指揮官として帰還していたアトレティコに復帰。それ以降はサイドハーフ、フォワードとして、献身的なプレスを仕掛けながら、空中戦で強さを発揮する選手として重用された。シメオネ監督はR・ガルシアについて、「招集外とした試合の翌日、朝8時から練習に励むのがR・ガルシア。彼はその競争心をグループに伝染させられる」と称賛し、一時は批判していたファンの間でも、この背番号8をアトレティコの模範的選手とする意見が数多くあった。

R・ガルシアはアトレティコで、公式戦319試合に出場して45得点を記録。アトレティコの現チームの中では、キケ・サンチェス・フローレス監督が率いたヨーロッパリーグ&UEFAスーパーカップ優勝チームの唯一の生き残りだった。セビージャ戦では得点を決めたMFコケ、MFガビ、そしてディエゴ・シメオネ監督が、スタンドで見守るR・ガルシアに向けて指を8本立てて、これまでの多大な貢献に感謝。シメオネ監督は試合後、「彼はアトレティコの歴史に刻まれる存在だ。幸せにならなければならない」と語り、R・ガルシアを快く送り出している。

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