ラ・リーガ王者アトレティコ、1年半ぶりの有観客試合を制して開幕2連勝!A・コレアが10試合8得点…点取り屋として覚醒

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22日のラ・リーガ第2節、アトレティコ・マドリーは本拠地ワンダ・メトロポリターノでのエルチェ戦を1-0で制した。

全収容人数の40%となる約2万人ではあるが、メトロポリターノに観客が戻ってきた。約1年半、533日ぶり。どこのチームもそうかもしれないが、その間に変化は存在している。例えばマルコス・ジョレンテがアタッカーとして覚醒したこと、ルイス・スアレスが加わったこと、お荷物とされたレマルの主力になったこと、コケがキャプテンになったこと、4-4-2から3/5バックにシステムを変更したこと、そうしたすべての要素によって昨季ラ・リーガ優勝を果たしたこと……。

この試合のキックオフ前、コケはラ・リーガ優勝トロフィーを2万人にお披露目。その後にはシメオネ監督、、そしてソシオ番号1番のペドロ・パロメーロ氏を中心にこのパンデミック下で亡くなったソシオ379人の追悼が行われ、バイオリンで演奏されるイムノがスタジアムを優しさと悲しさで包んでいる。

もちろん今日、ここで行われるのはフットボールの試合である。イムノの演奏が終わると、早足でコケはピッチ、シメオネ監督はベンチへ。「死ぬまでアトレティ!」のチャントが歌われたりする中、試合はキックオフを迎えた。前節セルタ戦(2-1)でマリオ・エルモーソが退場処分となったアトレティコは、その試合でアンカーだったコンドグビアをセンターバックに据えることで4-4-2ではなく3-5-2を維持。中盤3枚はアンカーがコケ、左インサイドハーフがレマル、そして右インサイドハーフが新加入デ・パウルとなった。

サポーターに数多くの初お披露目をするアトレティコだが、パフォーマンス自体は停滞。同じく3-5-2を使用するエルチェの堅守をこじ開けるアイデアを持てないばかりか、時間が経つに連れてポゼッションも許してしまうように。こうなれば、いかに熱狂のスタジアムと称されるメトロポリターノでも静寂に包まれてしまう。

しかし、静寂から一気に歓喜が爆発するのもフットボールだ。38分、その時が訪れた。デ・パウルのロングボールからA・コレアが最終ラインを突破。飛び出してきたGKカシージャもかわすと、角度が厳しいところから右足アウトサイドを使ってボールを枠内に押し込んだ。A・コレアはこれでここ10試合で8得点。それ以前には63試合で7得点しか決められておらず、点取り屋として覚醒した感がある。そして過去と現在の境にあった出来事は、昨季ベティス戦終了間際の2回の決定機逸に涙する彼と、強く強く抱きしめたシメオネだった。

1-0で試合を折り返したアトレティコは追加点を目指して攻め続ける。しかしコケのクロスからヒメネス、デ・パウルのさらなる高精度ロングパスからカラスコが決定機を迎えるも、決め切ることはできない。62分、シメオネ監督はレマルとデ・パウルを下げてルイス・スアレス、トリッピアーを投入。初めて観客のいるメトロポリターノのピッチに立ったウルグアイ代表FWは、もちろん「ウルグアージョ(ウルグアイ人の意。過去にフォルランやゴディンに対しても使用されたチャント)!」のコールを受けている。

トリッピアーが右ウィングバック、2トップの一角だったカラスコが左ウィングバックとなり、中盤をコケ、M・ジョレンテ、サウール(それまでは左ウィングバック)として、各選手のユーティリティー性を存分に生かすアトレティコ。その後はエルチェの反撃に遭う場面もあったが、しっかり連動する手堅い守備によって決定機までは許さない。シメオネ監督は84分にA・コレアを下げてロディを投入。今季ここまでチームの全得点(3)を決めているA・コレアは、大きな喝采を受けながらベンチに下がった。

終盤、エルチェの意地の攻撃も受けたアトレティコだが、「アトレーティ! アトレーティ!」と叫ぶ観客の後押しもあり、1点リードを維持したまま試合終了のホイッスルを迎え開幕2連勝を果たした。スペイン屈指の熱狂のスタジアムは、観客数的にもさすがに1年半前より静かだったが、それでも要所要所で声を張り上げてチームを支えた。スペインという国に、フットボール本来の姿が戻りつつあることを感じさせている。


ATLÉTICO 1 – 0 ELCHE

Atlético de Madrid: Oblak; Marcos Llorente, Savic, Giménez, Saúl; De Paul (Trippier, 62’), Koke, Kondogbia, Lemar (Luis Suárez, 62’); Carrasco y Correa (Renan Lodi, 84’).

Elche: Casilla; Palacios, Roco, Gonzalo Verdú, Bigas (Diego González, 86’), Mojica (Josan, 81’); Raúl Guti, Marcone (Carrillo, 81’), Fidel; Pere Milla (Benedetto, 63’) y Lucas Boyé (Tete Morente, 81’).

Árbitro: De Burgos Bengoetxea (Comité Vasco). Mostró tarjeta amarilla a los locales Luis Suárez (90’) y Kondogbia (95’); y a los visitantes Gonzalo Verdú (65’) y Benedetto (87’).

EL GOL:
1-0. 39’. Correa recibe un pase en profundidad de De Paul, controla dentro del área y con el exterior del pie derecho aloja el esférico en la red.

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