レアル・マドリーが、懸念されていた来年夏の移籍市場での補強が可能となった。CAS(スポーツ仲裁裁判所)は20日、FIFA(国際サッカー連盟)がレアル・マドリーに科した補強禁止処分を軽減するとの裁定を下した。
FIFAの規律委員会は今年1月、未成年選手の獲得および登録に関する規定違反があったとして、レアル・マドリーとアトレティコ・マドリーに対して今後二度の移籍市場における国内外での活動禁止を通達した。
一方、これを不服としてただちに異議申し立てを行った両クラブだったが、6月にFIFAの上訴委員会から控訴を棄却されたため、今度はCASへの控訴に打って出た。そして、CASによる判決が出るまではFIFAによる処分が凍結されたため、今年7月からの夏の移籍市場では通常通り補強が行えた両クラブだが、控訴が棄却されると来年1月からの冬の移籍市場および7月からの夏の移籍市場で活動が禁止される状況となっていた。
だが、CASはこの度FIFAがレアル・マドリーに科した補強禁止処分を半減することを支持。これによりレアル・マドリーは、来年1月からの冬の移籍市場では活動禁止となるものの、7月からの夏の移籍市場では補強解禁になることとなった。とはいえ、自らの潔白を主張するクラブは、処分が完全に撤回されなかったことに不満を表している。
一方、レアル・マドリーからの控訴に関しては判決を下したCASだが、同じタイミングで行われたアトレティコ・マドリーからの控訴に関してはまだ結論を出していない。これは、レアル・マドリーが至急の判決手続きを求めたのに対し、アトレティコ・マドリーは通常の判決手続きに応じたからだという。
アトレティコ・マドリーとしては、重要度の低い冬の移籍市場での活動禁止は甘んじて受け入れる一方、CASがレアル・マドリーのケースと同様に処分半減の裁定を下すことに期待し、重要度の高い夏の移籍市場での補強解禁を確実にするもくろみのようだ。
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