アトレティコが完封勝利で逆転突破、CLベスト4へ

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チャンピオンズリーグ準々決勝セカンドレグが13日に行われ、アトレティコ・マドリーとバルセロナが対戦した。

5日に行われたファーストレグではアトレティコ・マドリーがアウェーで先制したが、バルセロナが2-1と逆転勝利を収めた。ホームに帰還して逆転での準決勝進出を目指すアトレティコ・マドリーは、4日前のリーガ・エスパニョーラ第32節エスパニョール戦で3-1と快勝。首位バルセロナとの勝ち点差を「3」に縮め、勢いに乗ってセカンドレグへ臨む。ディエゴ・シメオネ監督はファーストレグから先発メンバーを1名変更。同試合で退場処分となり、出場停止のスペイン代表FWフェルナンド・トーレスを欠く中、アルゼンチン代表MFアウグスト・フェルナンデスを中盤に起用し、ベルギー代表MFヤニック・フェレイラ・カラスコを前線に配した。

最後尾にはスロヴェニア代表GKヤン・オブラク、最終ラインは右からスペイン代表DFフアンフラン、U-19フランス代表DFリュカ・エルナンデス、ウルグアイ代表DFディエゴ・ゴディン、ブラジル代表DFフィリペ・ルイスが並び、中盤はスペイン代表MFコケとスペイン人MFガビ、U-21スペイン代表MFサウール・ニゲス、A・フェルナンデスが入る。そして前線ではフランス代表FWアントワーヌ・グリーズマンとカラスコがコンビを組んだ。

一方、リーガ・エスパニョーラ首位のバルセロナだが、4日前の第32節レアル・ソシエダ戦では0-1と完封負け。リーグ戦では最近3試合勝ちなしと苦しんでいる。中3日で迎えるアウェーでのセカンドレグでは、ルイス・エンリケ監督はファーストレグと同じ先発11名を起用した。

ドイツ代表GKマルク・アンドレ・テア・シュテーゲンがゴールマウスを守るほか、最終ラインはブラジル代表DFダニエウ・アウヴェスとアルゼンチン代表MFハビエル・マスチェラーノ、スペイン代表DFジェラール・ピケ、同DFジョルディ・アルバが並び、中盤にはクロアチア代表MFイヴァン・ラキティッチとスペイン代表MFセルヒオ・ブスケッツ、同MFアンドレス・イニエスタ。前線はアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ、ウルグアイ代表FWルイス・スアレス、ブラジル代表FWネイマールの“MSN”が揃って先発出場した。

大観衆が詰めかけたビセンテ・カルデロンにアトレティコ・マドリーのサポーターの歌声が響き続ける。ファーストレグ同様、バルセロナがボールポゼッション率を高めて試合を進める展開となった。アトレティコ・マドリーは要所を抑えたプレスで相手に自由を与えず、チャンスを作らせない。

互いにシュートへ持ち込む場面が少ないまま、25分が経過。アトレティコ・マドリーは28分、カラスコがペナルティーエリア左側でボールを受け、縦へとドリブル突破を図る。応対したバルセロナのピケに突破を阻止された際、同選手の手にボールが当たったのではないかとカラスコは主張したが、笛が鳴ることはなかった。

対するバルセロナは、ボールポゼッション率で圧倒しながらもシュートまで至る場面が少なく、チャンスを作り出せない。33分にペナルティーエリア左手前で得たFKをメッシが直接狙ったものの、枠を捉えることはできなかった。

拮抗した展開の中、36分にスコアが動いた。敵陣右サイドでアトレティコ・マドリーのガビが相手のクリアをカットすると、ペナルティーエリア右角付近で待っていたサウールへパスを送る。サウールは左足アウトサイドでゴール前へクロス。アウトスイングのボールに反応したグリーズマンが打点の高いヘディングシュートを突き刺し、ゴールネットを揺らした。アトレティコ・マドリーが先制した。

2試合合計スコアは2-2となり、アウェーゴール数で上回るアトレティコ・マドリーが優位に立った。ボールポゼッション率は30パーセントに満たなかったが、前半はアトレティコ・マドリーの1点リードで終了した。

準々決勝突破のためにはゴールが必要なバルセロナは後半も攻勢をかけるが、なかなかゴールを割ることができない。L・エンリケ監督は64分、2選手を同時に交代。D・アウヴェスとラキティッチに代えてセルジ・ロベルトとアルダ・トゥランをピッチに送り出し、打開を図った。バルセロナは66分にスアレスがチャンスを迎えたが、GKオブラクに阻まれた。

後半半ばを過ぎても反撃のゴールを決めることができないバルセロナ。76分にはペナルティーエリア左側でボールを持ったネイマールが突破を試みた際、ゴールラインを割った後にフアンフランと交錯。両チームの選手が小競り合いになる場面もあった。

1-0のまま、試合は終盤へ。そして87分、アトレティコ・マドリーが決定機を迎える。自陣左サイドでボールを奪い、カウンターを発動。F・ルイスが敵陣までドリブルで運び、ペナルティーエリアに差し掛かって右側で待っていたグリーズマンへパスを送る。すると、パスカットを試みたイニエスタの手に当たり、ハンドの判定でPKとなった。

重要な意味を持つPKを、キッカーを務めたグリーズマンがゴール右隅へ決めた。88分、アトレティコ・マドリーが2点目を奪い、リードを2点に広げた。2試合合計スコアは3-2となった。

2点ビハインドを負ったバルセロナも、1点を返せば2試合合計スコアをタイに戻し、延長戦へ持ち込むことができる状況だった。後半アディショナルタイムにはイニエスタがペナルティーエリア左手前から上げたクロスがガビの手に当たり、FKに。ペナルティーエリア内でのハンドのようにも見えたが、PKは与えられなかった。メッシがFKを直接狙ったが、枠を越えた。

試合は2-0で終了。2試合合計3-2、アトレティコ・マドリーがホームで逆転を果たし、2大会ぶりの準決勝進出を決めた。敗退が決まったバルセロナは、連覇の夢は叶わなかった。

なお、バルセロナの次戦は17日、リーガ・エスパニョーラ第33節でバレンシアとホームで対戦。一方のアトレティコ・マドリーは17日、グラナダをホームに迎える。

【スコア】
アトレティコ・マドリー 2-0(2試合合計:3-2)バルセロナ

【得点者】
1-0 36分 アントワーヌ・グリーズマン(アトレティコ・マドリー)
2-0 88分 アントワーヌ・グリーズマン(アトレティコ・マドリー)

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