21日のラ・リーガ第19節、イプルーアでのエイバル対アトレティコ・マドリーは2-1でアトレティコが勝利した。エイバルMF乾貴士、FW武藤嘉紀はともに先発出場を果たしている。
ラ・リーガ優勝候補筆頭のアトレティコと、残留を果たすために優勝を狙うチーム相手にも結果がほしいエイバルの対戦。エイバルのメンディリバル監督は4-2-3-1のシステムで左サイドハーフに乾、右サイドハーフに武藤と日本人を両翼に置き、開始早々に結果を出した。
9分、ロングボールからペナルティーエリア内に侵入した武藤が、後方からカラスコに倒されてPKを誘発。キッカーを務めたGKドミトロビッチが枠内左めがけて放ったシュートは、オブラクの逆を突く形でネットを揺らした。PKを苦手とするエイバルでキッカーを務め、キャリア初となるゴールを決めたドミトロビッチは、ラ・リーガで史上7人目のGK得点者に。これまで得点を記録したGKはサンタマリア、フェノイ、チラベルト、プラッツ、ナチョ・ゴンサレス、アランスビアで、アランスビアがデポルティボで2011年にヘディング弾を決めた以来の快挙となった。
レアル・マドリーとのダービー以外では許さなかったリードを与えてしまったアトレティコは、ここから苦戦の色を濃くする。累積警告で出場停止のコケの穴はやはり大きく、エイバルのハイプレッシングを前に攻撃を構築できない状況が続いた。それでも41分、コケがいなくてもチームにはルイス・スアレスがいた。
40分、エイバルのペナルティーエリア近くで、セルヒオ・アルバレスのパスをマルコス・ジョレンテが足を高く上げてカット。エリア内に転がるボールをL・スアレスがM・ジョレンテに先んじて自分のものにすると、角度のないところから右足のシュートを決め切った。L・スアレスは今季ラ・リーガ14試合で10点目と、当たり前のように2桁に乗せてきている。
対して、追いつかれたエイバルは、左サイドの乾のクロスから武藤、キケ・ガルシアとチャンスを迎えたが決めきれず、同点のまま前半を終える。アトレティコはハーフタイム、A・コレアとレマルを下げてトレイラ、ジョアン・フェリックスを投入した 。
後半になっても、コケのいないアトレティコがエイバルの組織的なプレッシングを前にボールを回せない状況は変わらず。負傷明けのブライアン・ヒルをベンチに置くエイバルが、乾らを起点としてショートカウンターから攻め込む場面の方が目立った。メンディリバル監督は77分、攻守両面で奮闘していた武藤をセルジ・エンリクに代え、2トップとして攻勢を強める。
しかし終盤に入ると、J・フェリックスが決定機を迎えるなどアトレティコが勢いを増す。そして88分、ロングボールからペナルティーエリア内に侵入したL・スアレスがアルビージャに倒されてPKを獲得。L・スアレスが冷静なパネンカ(チップキック)でこれを決め切り、ラ・リーガ得点数を11に伸ばした。逆転を果たしたアトレティコは、エイバルの最後の猛攻を凌ぎ切り、昨季には敗戦したイプルーアから勝ち点3を持ち帰ることに成功している。
ラ・リーガここ14試合で13勝の首位アトレティコは、1試合未消化ながら2位レアル・マドリーとの勝ち点差を7、3位バルセロナとの差を10に広げた。エイバルは勝ち点19で15位につけている。
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