補強禁止処分を受けたレアルとアトレティコに危機…来季構想が不透明に

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 スペイン首都のライバル同士であるレアル・マドリーとアトレティコ・マドリーが、今後の補強計画を完全に見直さなければならない不測の事態に見舞われた。

 14日、FIFA(国際サッカー連盟)の規律委員会は両クラブに対し、未成年選手の獲得および登録に関する規定違反があったとして、今後2度の移籍市場(2016年夏および2017年冬)における国内外での活動禁止を通達した。

 FIFAは18歳未満の選手の国際間移籍を一部の例外を除き禁止しているが、レアル・マドリーは2005年から2014年まで、アトレティコ・マドリーは2007年から2014年までに行われた選手登録で違反が認められたとのことだ。両クラブとも、今後90日間のうちに当該選手の状況を規定に則った形に是正することが命じられている。

 レアル・マドリーとアトレティコ・マドリーが受けた移籍市場での活動禁止処分は、バルセロナが2014年4月に受けた制裁と同じもの。バルセロナはその際、まずはFIFAに異議申し立てを行って処分の一時凍結に持ち込むと、その間に夏の移籍市場で大量7選手を獲得し、補強禁止が確定した場合に備えることに成功した。

 その後は、制裁は有効との判断を下したFIFAから処分の一時凍結を解除され、異議申し立てに打って出たCAS(スポーツ仲裁裁判所)からも訴えを棄却されたバルセロナ。その結果、2015年冬の移籍市場では補強は行えず、2015年夏の移籍市場で獲得を内定させたトルコ代表MFアルダ・トゥランおよびスペイン代表MFアレイクス・ビダルも、この1月になって漸く選手登録が可能となった。

 レアル・マドリーおよびアトレティコ・マドリーも、今後はバルセロナと同様の動きに出ることが確実視されている。しかし、バルセロナとは処分を受けたタイミングが異なるため、今年夏の移籍市場まで決着を持ち越すのは難しいとも見られている。それゆえ、リスクを避けて確実に戦力を強化したければ、現在開いている冬の移籍市場で選手を獲得する必要がある。とはいえ、既に冬の移籍市場は折り返しに差し掛かっているうえ、今はシーズンの真っただ中であるため、急な方針転換で思い通りの補強ができる可能性は低いだろう。

 両クラブは一方、この冬の移籍市場で選手を獲得せず、今年夏の移籍市場までにFIFAによる処分が最終確定した場合、来シーズンは補強無しで戦いに臨まなければならなくなる。また、今年夏の移籍市場で選手を獲得したとしても、来年夏まで1年間起用できないという非現実的な状況に直面するだけに、レアル・マドリーとアトレティコ・マドリーは、バルセロナが経験した以上にやっかいな状況に陥ることになりそうだ。

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