昨シーズンの決勝で雌雄を決したレアル・マドリーとアトレティコ・マドリーが、今シーズンは準々決勝で激突することになったチャンピオンズリーグ。
10カ月半前の一戦では、レアルが延長戦の末に4-1で逆転勝利を収め、クラブの悲願である“ラ・デシマ”(10度目のCL制覇)を達成した。だが、今シーズンの直接対決では、後半終了直前に同点弾を浴びなければ初の欧州王者に輝いていたアトレティコが、その鬱憤を晴らし続けている。
今シーズンここまで6度に渡り行われてきた“マドリーダービー”だが、アトレティコが4勝2分とレアルを圧倒。とりわけ、直近の対戦であるリーガ・エスパニョーラ第22節では4-0で大勝するなど、今回の1stレグの舞台となる本拠地ビセンテ・カルデロンでは3連続完封勝利を収めている。
しかし、アトレティコの4点差の圧勝劇は、レアルがDFセルヒオ・ラモス、DFペペ、DFマルセロ、MFルカ・モドリッチ、MFハメス・ロドリゲスと大量の主力を欠いたため、参考にはならない。それ以外の5試合についても、シーズン序盤のスーペルコパおよびリーガ第3節は両チームとも新戦力を試している段階で、1月に行われたコパ・デル・レイ5回戦も今回の予想スタメンと出場選手が大きく異なるなど、比較するには適していない。
それでも、アトレティコが堅守からの速攻、レアルがボール支配からの連続攻撃を軸にゴールを目指す一方、少ないチャンスの中でセットプレーが重要性を持つという構図に大きな変化はなさそうだ。異なる展開になるとすれば、本来はカウンターを最大の武器とするレアルが、アトレティコ対策としてシステムやメンバーの変更を行ってくる場合だろう。一方、レアル戦に自信を深めているもののアウェーゴールを喫したくないアトレティコ、アウェーゴールを奪いたいもののアトレティコ戦に苦手意識が生じているレアルと、両者の精神面の動きも試合の流れを左右しそうだ。
レアルではMFトニ・クロース、DFマルセロ、DFファビオ・コエントランの3選手、アトレティコではFWフェルナンド・トーレス、MFガビ、MFマリオ・スアレス、DFヘスス・ガメス、DFクリスティアン・アンサルディの5選手が、この試合で警告を受けると2ndレグに出場停止となるので気をつけなければならない。それでも、レアルはFWクリスティアーノ・ロナウドが最近4試合で8ゴール、アトレティコはFWアントワーヌ・グリーズマンが最近3試合で4ゴールと、両チームとも一時得点力が落ちていた前線のキーマンが完全に復調。直前の試合に欠場したレアルのMFガレス・ベイルとアトレティコのFWマリオ・マンジュキッチも招集リストに入るなど、万全の陣容を揃えた両チームはお互いにベストメンバーで大一番に臨む。
それだけに、レアルが今シーズンのダービー初勝利を飾るのか、アトレティコが地元ライバルをまたもや返り討ちにするのか、両雄の意地と誇りがぶつかり合う白熱の一戦に期待しない訳にはいかないだろう。
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