“スペイン第3のクラブ”の座を争うバレンシア&アトレティコ、勝ち点1を分け合う/リーガ第3節

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リーガ第5節

バレンシア 1-1 アトレティコ・マドリー

9日のリーガエスパニョーラ第3節、メスタージャでのバレンシア対アトレティコ・マドリーはスコアレスドローで終了した。

スペイン第3のクラブの座を争うバレンシアとアトレティコだが、この6年近く、つまりシメオネ監督が指揮官としてアトレティコに帰還した後には明暗がはっきりし始めた。シメオネ監督がアトレティコ最高の黄金期を構築する間、バレンシアは11人の監督がチームを率いるなど迷走。リーガ1部の総獲得勝ち点数ではアトレティコが2016−17シーズンにバレンシアを抜き去り、現在は勝ち点56差をつけている(アトレティコの総勝ち点数が3446、バレンシアが3390。ちなみに1位に立つレアル・マドリーは4390、2位バルセロナが4268)。

だがバレンシアはマルセリーノ新監督の下で、シメオネ監督のアトレティコ帰還後、またはエメリ監督退団後に訪れた混沌から抜け出す兆しを見せる。新指揮官が志向するプレースタイルは、シメオネ監督と同じもの。即ち、2強に対抗する第3のクラブが主力武器とすることが常の堅守速攻である。マルセリーノ監督は同スタイルの中盤の核になるであろうコンドグビア、パレホを先発で起用。一方シメオネ監督は、これまで中盤の核であり続けたガビを前節に続いてベンチに置き、トーマスを先発させてサウールと2ボランチを組ませている。

試合は予想通りに手堅い、極めて手堅い展開に。4−4−2のシステムを敷く両チームともにポゼッション率を高める時間帯がありながらも、どちらも組織として相手を崩し切る術を持たなかった。序盤にボールを保持したアトレティコは、5分にアンヘル・コレアがシュートを放ち、バレンシアDFに当たりコースが変わるが、これはGKネトの好守に阻まれる。一方、徐々に主導権を手にしていったバレンシアは19分にペレイラがゴール正面からボールを叩くも、こちらは枠を外れている。

守りに回ったアトレティコは33分、コンドグビアのパスをトーマスが拾い、ペナルティーエリアでボールを受けたビエットが巧みな反転からシュートを打ったが、これは枠の上へ。どちらかがボールを保持し、どちらかが引いて守るという展開で進んで行った試合だが、35分過ぎには攻守の切り替えが速くなり、スペインで言うところのイダ・イ・ブエルタ(往復)という展開に。しかし、それでもどちらもリスクを冒さず、よってどちらも相手の堅守を崩せぬまま、前半は終了のホイッスルを迎える。

後半に入っても、勝敗がつくとすればウノ・セロになること必至の堅い試合内容は変わらず。得点の鍵は攻撃的選手の個の力、アシスト&フィニッシュの精度、そして運といったところが握ったが、バレンシア、アトレティコともにそのすべての要素を揃えることができない。アトレティコは46分、カラスコがシュートを放つもネトのセーブに阻まれ、バレンシアは57分にパレホのFKからガブリエルがフィニッシュに持ち込むもボールはクロスバーの上へと飛んで行った。

両指揮官は60分から75分までに交代カードを使い切る。シメオネ監督はカラスコをガイタン(60分)、ビエットをフェルナンド・トーレス(65分)、A・コレアをガメイロ(72分)に代え、対するマルセリーノ監督はペレイラをグエデス(61分)、ロドリゴをサンティ・ミナ(70分)、そして負傷のガライをムリージョと交代させた(74分)。

しかしその後も、どちらも堅守を崩さず、どちらも決め手を欠き続ける。試合終了を意識する時間帯には両チームともに中盤を省略した攻撃を見せるが、結局得点は生まれぬまま、ゴンサレス・ゴンサレス主審が両手を上げてホイッスルを響かせている。スペイン第3のクラブの座を争い、堅守速攻のプレースタイルを歴史的に主力武器としてきたバレンシア&アトレティコは、まるで鏡に映った自チームと試合を演じたかのように勝ち点1を分け合い、第3節までの獲得勝ち点数をともに5とした。

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