シーズン2度目の中断期間を迎え、ここまでの振り返りをする時期になりました。リーガとチャンピオンズリーグを合わせて公式戦10試合を終えたこの段階で、シメオネ率いるチームはまさに“二つの顔”を見せています。ジキル博士とハイド氏。つまり、ホームのメトロポリターノでの姿と、アウェーでの姿です。今や、ホームスタジアムの存在がロヒブランコスにとっていかに重要かが、ますます明らかになっています。
これまでホームで5試合、アウェーで5試合を戦ってきましたが、サッカーの内容、雰囲気、そして何より結果において、チームはまったく別物のようです。シメオネのアトレティコはリーガやチャンピオンズリーグのタイトルを争う有力候補でありながら、遠征時の“悪い顔”がその野望を脅かす可能性があります。
アウェーでは勝てず、ホームでは無敵
アトレティコの“二つの顔”は結果に最もよく表れています。ホームのメトロポリターノでは5試合中4勝(ビジャレアル、ラージョ、レアル・マドリー、アイントラハト戦)。唯一の例外は開幕戦のエルチェ戦で、1-1の引き分けに終わりました。
一方、アウェーではまるで別チームのようです。直近のバライドスでの試合でもそれが明らかになりました。いまだにアウェーでの勝利はなく、すでに2試合(エスパニョールとリバプール)で敗北。残る3試合(アラベス、マジョルカ、セルタ)はいずれも1-1の引き分けでした。つまり、リーガでは12ポイント中9ポイントを逃し、チャンピオンズでは3ポイントすべてを落としています。これはあまりに重い代償です。
ホームでは平均4得点、アウェーでは1.2得点
結果も目を引きますが、得点力の差はさらに顕著です。メトロポリターノでは4試合で合計16得点(アイントラハトとマドリーに各5点、ラージョに3点、ビジャレアルに2点、エルチェに1点)で、1試合平均ちょうど4得点。
対してアウェーでは、5試合でわずか6得点。リーガでは毎試合1点ずつしか決められず、唯一の例外はリバプール戦でのジョレンテの2得点でしたが、それも終盤のイングランド側の得点で勝点にはつながりませんでした。
ホームでは攻め続ける、アウェーでは守りに入る
この差はチームの戦い方にも表れています。ホームではリードを奪っても攻撃の手を緩めず、さらに点差を広げようとします。実際、マドリーやアイントラハトといった強豪を大差で破りました。
しかし、アウェーではそうはいきません。相手のホームの勢いや、アトレティコ自身の守備的な姿勢もあり、リードを守ることに意識が向かいがちです。その結果、すべてのアウェー戦で先制したにもかかわらず、最終的には追いつかれてしまいました(エスパニョール戦では逆転負け)。ホームチームの「追いつきたい」という必死さが、アトレティコの「突き放したい」という意欲を上回っているのです。結果として、1-1が0-2よりも多くなっています。
ホームでは追いつかれず、アウェーでは全試合追いつかれる
ホームでは先制すれば勝ち切る。アウェーでは先制しても勝ち切れない。これが今季のアトレティコの現実です。ホームでは、たとえ相手が一度リードを奪っても(マドリー戦、ラージョ戦など)、最終的には逆転勝ち。唯一、エルチェだけが1-1に持ち込み、シメオネのチームの反撃を抑え込みました。
一方、アウェーでは、セルタを含むリーガのすべての対戦相手が、アトレティコに先制を許しながらも、最終的には少なくとも引き分けに持ち込んでいます。
退場でも“二つの顔”――ホームではゼロ、アウェーでは二つ
アトレティコの“二つの顔”は、退場処分の数にも表れています。ホームのメトロポリターノでは一度も退場者を出していませんが、アウェーではすでに2人(マジョルカ戦のセルロート、セルタ戦のラングレ)が退場しています。まさに、この2025-26シーズンのアトレティコは、すべてにおいて「ジキルとハイド」なのです。
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