アトレティコ・マドリーがレアル・マドリーを相手に見せた史上最高のゴレアーダ。そのダービーは、アレクサンデル・セルロートのスピード不足から、ディエゴ・シメオネが5点目で抑えきれない感情を爆発させた場面まで、重要な瞬間が連続しました。キリアン・エムバペの突進でマドリディスタが息を吹き返し、ル・ノルマンのミスで逆転を許したものの、最終的にはフリアン・アルバレスが雪辱を果たしました。
5つの瞬間は以下の通りです:
▶ 2分52秒:セルロートの遅さ
アトレティコは立ち上がりから圧力をかけ、レアル・マドリーを混乱させました。クラブワールドカップでPSGに大敗して以来、シャビ・アロンソのチームがここまで劣勢を強いられたことはありませんでした。ボールを持たないときの守備は脆さを露呈しました。
その最初の場面は単純な形でした。ハンツコからのロングボールに抜け出したセルロートは、ミリトンに競り勝ってクルトワと一対一になりました。十分に考える時間があったにもかかわらず、決断が遅れ、最後はスライディングしたミリトンにボールを奪われ、決定機を逃しました。結局、彼が得点するまでには4度のチャンスが必要となり、前半アディショナルタイムに空中戦で力強く同点弾を決めました。
▶ 24分52秒:エムバペが反撃を呼び込む
レアル・マドリーは、セットプレーでル・ノルマンに競り負けて14分に先制を許しました。チュアメニはル・ノルマンを捕まえられず、彼にクルトワの前で楽にヘディングを許してしまったのです。
シャビ・アロンソのチームは攻め手を見つけられませんでしたが、シメオネの戦術的な仕掛けが機能していました。マルコス・ジョレンテが守備時に右サイドから中央へ絞り、エムバペを監視していました。しかしエムバペはそのゾーンを避け、より自由に動けるラングレの側を攻めました。そこからアルダ・ギュレルとの連係で抜け出し、オブラクへ強烈なシュートを放ち、レアルは最初の本格的なチャンスで同点に追いつきました。
▶ 35分58秒:ル・ノルマンのミス
先制点を決めた喜びも束の間、ル・ノルマンは痛恨のミスで逆転を許しました。単純なボールを頭でクリアし損ね、相手にプレゼントしてしまったのです。
そこからエムバペがヴィニシウスにパスを送り、彼はル・ノルマンとジョレンテを次々とかわしました。そして走り込んだギュレルにラストパスを供給し、ギュレルが低いシュートでオブラクを破りました。
▶ 50分59秒:フリアンの雪辱
フリアンの頭に過去の悪夢はよぎりませんでした。チャンピオンズリーグのマドリードダービーでダブルタッチのPK失敗により即敗退となった件も、マジョルカ戦での失敗も。彼は自信を持ってボールをつかみ、強烈に蹴り込みました。
主審アルベロラ・ロハスは、ギュレルの守備をPKと判定しました。クロスをわずかに触った後、ニコ・ゴンサレスの顔に接触してしまったのです。フリアンにとって絶好の雪辱の瞬間であり、それを確実に決めました。さらに12分後、完璧な直接FKを突き刺し、ダービーを決定づけました。
▶ 92分58秒:グリーズマンの締め、シメオネの涙
後半のレアル・マドリーは存在感を失いました。守備は緩く、打開策もなく、終了間際に再び失点しました。今度はフェデ・バルベルデの拙いパスからでした。
オブラクへのシュートすら打てないまま攻め急ぐレアルを尻目に、アレックス・バエナがスルーパスを送り、走り込んだグリーズマンが飛び出したクルトワを冷静にかわして得点。2月1日以来ラ・リーガでゴールから遠ざかっていたフランス人FWの待望の得点でした。
祝祭に包まれるメトロポリターノ。グリーズマンのゴールはシメオネの肩の重荷を下ろしました。涙と笑顔が入り混じり、チームの姿に誇りを感じ、選手たちの強烈な反発力に満足したシメオネ。首位を倒したこの夜、アトレティコは「すべてを懸けて戦う」存在に戻ってきたのです。
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