10日にチャンピオンズリーグ(CL)準決勝セカンドレグが行われた。レアル・マドリーはアトレティコ・マドリーに1-2と敗れたが、2試合合計スコア4-2で決勝進出を決めている。
シメオネ監督就任以降、2013-14シーズン(決勝)、14-15シーズン(準々決勝)、15-16シーズン(決勝)と常にCLの舞台でマドリーに葬り去られてきたアトレティコ。来季からスタジアムを移行するため、CLで最後の試合を迎え満員となった本拠地カルデロンで3点差をひっくり返すという偉業に挑んだ。
4-4-2を敷いたシメオネ監督はGKオブラク、DFヒメネス、ゴディン、サビッチ、F・ルイス、MFガビ、コケ、サウール、カラスコ、FWグリーズマン、F・トーレスという11人を先発で送り出す。1stレグからの変更は右SBのみで、L・エルナンデスに代わって負傷明けのヒメネスが入っている。
一方、ベイルを負傷で欠くジダン監督は4-3-3ではなく4-3-1-2を施行。GKケイロール・ナバス、DFダニーロ、ヴァラン、S・ラモス、マルセロ、MFカセミロ、クロース、モドリッチ、イスコ、FWベンゼマ、C・ロナウドをスタメンで並べた。
試合はまさかの展開を見せる。12分、アトレティコが早速ネットを揺らした。コケのCKに、ニアサイドに飛び込んだサウールがヘディングを叩く。Gkナバスを破り、カルデロンの観衆の歓喜が爆発する。
アトレティコの勢いは衰えない。16分にF・トーレスがペナルティエリア内でヴァランに倒され、PKを獲得。これをグリーズマンが沈め、トータルスコアで1点差に詰め寄った。
ここから先、両軍は激しい肉弾戦に身を投じ、徐々にヒートアップしていく。34分には、ゴディンとC・ロナウドが空中戦で激しくぶつかり、ゴディンと抗議を行ったS・ラモスにイエローカードが出された。
奇跡に、手が届くのではないか。アトレティコ陣営がそう信じ始めた矢先、マドリーが個の力を見せ付ける。
42分、左サイドの深い位置でスローインを受けたベンゼマがゴディン、サビッチ、ヒメネスの3人を抜き去る。ベンゼマからのマイナスのパスをクロースが右足で叩くと、GKオブラクが弾く。その瞬間を狙っていたイスコが押し込み、マドリディスタを安堵させるゴールを奪った。
シメオネ監督は56分にF・トーレスに代えてガメイロ、ヒメネスに代えてトーマスを投入する。攻撃の選択肢を増やす交代策を執った。
すると65分、アトレティコに立て続けに決定機が訪れた。F・ルイスのロングボールに反応したカラスコがダニーロに競り勝ち、エリア内に侵入してシュートを放つ。GKナバスがパンチングしたボールに、さらにガメイロが詰めた。だがフランス代表FWのヘディングシュートはGKナバスの好セーブによって阻まれる。
マドリーはポゼッションを高めながら時計の針を進める。決定的なチャンスこそつくり出せないものの、バランスを崩すことなくアトレティコの攻撃を跳ね返し続けた。
最後まで集中力を切らさなかったマドリーは、1stレグのアドバンテージを生かし切り、2年連続でファイナル進出を決めている。
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