アトレティコ・マドリーは、この移籍市場の開幕当初から明確な補強目標を掲げていました。数週間の経過とともにそれらを着実に進め、ある程度は予定通りに補強を完了してきました。ほぼ全ての計画は実行に移されたといえます。
しかし、その中に含まれていた「特定の特徴を持つ選手の獲得」については、移籍市場の閉幕まで残り2週間を切った現時点でも実現しておりません。
クラブの発するメッセージをそのまま受け取るならば、この市場ではもう新たな補強を行わない意向です。つまり、シメオネ監督が求め、交渉も行われていた“ドリブラー”は獲得できないということになります。アデモラ・ルックマンやエンツォ・ミローの名前が候補に挙がり、両選手本人や所属クラブと交渉が行われましたが、いずれも成立しませんでした。特にフランス人のミローは契約間近まで進みましたが、サウジアラビアのクラブからより高額なオファーが届いたことで、第一線の競争環境からは大きく外れたリーグを選択する結果となりました。
現在、アトレティコの候補リストの筆頭に挙がっているのはニコラス・ゴンサレスです。インテルとの交渉が破談となったルックマンの状況次第ですが、アルゼンチン人のゴンサレスは純粋なドリブラーではないものの、サイドから仕掛けられる選手であり、その資質を持ち合わせています。
とはいえ、この件について問われたシメオネ監督は、RCDエスパニョール戦の前に「今は緊急ではない」と語りました。なぜなら、ニコ・ゴンサレスと同様にドリブル突破の特長を持つ選手をすでにチーム内に揃えていると考えているからです。
「おそらく、アルマダ、バエナ、フリアンといった選手のプレースタイルの中にドリブラーの特徴は備わっています。さらに中央には多くの選手がいて、前線にもセルロート、グリーズマン、フリアン、ジャコモといった異なる特長を持つフォワードがいます。彼らが深みを与え、多様な特性をチームにもたらします。最終的にメンバーが固まった時点で、それぞれの長所を最大限に引き出すことを目指します」――と、シメオネ監督は数日前にコメントしています。
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